上町断層帯の危険な兆候
極意はバランスよく家を揺らす事
地震に強い家を希望するとお金がかかる?果たして本当でしょうか。事実、追加の補強費請求やオプションの耐震装置を提案されます。しかし簡単な理屈さえ知っていれば、地震に強い家は幾らでも出来るのです。
この画像は地震に弱い家の間取りです。これでも建築確認申請はパスしてしまう合法的な建物です。
赤く塗ってある壁を耐力壁と云います。地震に抵抗してくれる壁ですので、耐震壁と云った方が分かり易いかも知れませんが、台風にも抵抗してくれますので、耐震壁とは呼ばずに耐力壁と言う表現をします。
耐力壁は縦方向・横方向それぞれに配置させていきます。つまり横方向(X方向)の地震の揺れに対しては横向きの耐力壁が抵抗し、縦方向(Y方向)の揺れには縦方向の耐力壁が抵抗してくれます。
それを理解した上でもう一度画像をご覧になって下さい。
矢印方向の揺れが発生した場合、間取りの上側に耐力壁が集中し、間取りの下側には耐力壁が一か所しか入っていません。その為矢印方向の力が加わり、建物が揺れた場合上側はしっかりと揺れに抵抗するのに対して、下側は大きく揺さぶられてしまいます。この様なバランスの悪い揺れ方をすると、建物が平面的に捻じれてしまい倒壊へと至ります。
もっと分かりやすく言えば、車を高速運転していたとします。しかもこの車は左側のブレーキが壊れていて、右側のブレーキしか効きません。そこで急ブレーキを掛ければどうなるでしょう。車は時計回りに回転しまいますよね。車は剛性が高いので回転しますが、家は車ほど剛性が高くありませんので、変形して倒壊してしまうのです。
バランスよく揺らせるにはバランスの良い耐力壁の配置を
この画像は耐力壁の配置をバランスよく考慮したプランです。縦方向横方向ともバランスよく耐力壁が入っておりどの壁にも極端な力が加わることなく均等に揺れてくれます。
車で例えれば、四輪とも正常にブレーキが効く状態です。綺麗に揺れてくれれば、相当大きな地震にもそれぞれの耐震壁に適度に地震力が伝わり、建物全体として持ち堪えてくれるのです。
地震に強くする方法は高価な耐震装置を導入することではなく、剛性を低く抑えた(地震の力が集中しない)耐力壁を出来るだけ数多く配置する事にあります。耐力壁は特別な装置を取り付けるのではなく、一枚1000円程度の合板を壁に張り付ける事で出来上がります。
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