地震が起きたら大阪平野に安全な場所はない。
リフォームの希望で多くの依頼者がご希望されるのは、リビングを広くしたいと云うご要望です。
しかし、これは耐震補強の概念と相反するものです。感覚的にお判り頂けると思いますが、壁が多い方が地震には強いのです。しかも二階に壁が幾ら多くても、一階がガランドウであれば、意味がありません。二階を支えるに十分な壁が一階には必要なのです。リビングは多くの木造住宅の場合一階にあります。そのリビングの壁を取って広くしたいと云うご要望が多いと云うことは、地震に弱い家に住みたいと同義に聞こえてしまうのです。
勿論、住まう人が地震で壊れても構わないと、思っている訳ではないのは十分承知していますので、建築業者の苦悩が始まるのです。
リフォームをした家で、よく見かけるのは、柱を抜いて梁を補強した事例です。「太い梁を入れましたがら大丈夫です。ビクともしません。」と業者さんが云っておられました。と云う話しも良く聞く話しです。
これはプロでも間違う大きなミスで、梁を補強して丈夫になるのは、積載荷重等上から下に向かってかかる力にだけ有効な補強方法で、地震の様な横向きにかかる力には無抵抗なのです。壁を抜いてしまう事はひとえに家を弱くしていることにほかなりません。
しかし、これでは依頼主のご要望に応えたことにはなりませんので、様々は工夫がうまれます。特に断熱材が発達した現在、部屋を細かく区切る必要も無くなってきました。新築等では、全館空調も普通に行う時代です。リビングとダイニングを仕切る建具や壁を取れたらどんなに気持ちがいいでしょう。
一つの解決策が添付の写真です。
リビングと和室の間の間仕切りですが、一間の引違戸で隔てられています。両側が耐震壁です。このままでは人が通る通路は確保できても、一体の部屋とはお世辞にも言えません。そこで下記の様な開口部を考えました。
建具は耐震壁の両側に引き込む事により一間の開口がそのまま使えるようにしました。また、部屋を狭く見せていた建具の上の垂れ壁をなくすことにより空間を広く見せています。
住まい再好築とは http://mbp-japan.com/osaka/oado/column/27871/