メンテナンスフリーの建築材料
木造住宅の場合、築後40年位経過すると、床材の痛みが顕著になります。昭和50年代以前の建物は、床材に合板フローリングが多用されていました。合板フローリングは無垢フローリングに比べ、安価で反り歪みがなく当時は重宝されました。
しかし、合板フローリングは心材がベニヤですので、薄い木を張り合わせている糊が劣化し、踏むと床が抜けてしまうのではと思う程、床が撓んでしまいます。
こうなれば、もう元に戻す手立てはありません。この症状は二階の床よりも一階の床に多く現れますので、湿気が関係しているように思います。床下が乾燥していれば同じ合板フローリングでも少しは長持ちしてくれますが、40年前後が合板フローリングの耐用年数かと思われます。
ちなみに、一階の床が悪くなっても、それが直接の原因で地震や台風に弱くなるという事はありません。一階の床は土台・大引きに支えられていますが、それらは直接基礎や地面に接していますので、床面の剛性を期待しなくても建物の健全性は保てるからです。
二階の床が傷み始めると、建物の水平剛性に影響しますので、早急に手を打たねばなりません。
一階の床が傷んで、二階の床が傷み出すまでが床の張り替え時期の目安です。