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コラム
揺れない家は簡単に造れない
2013年2月28日 公開 / 2013年3月31日更新
昨日、池上彰さんが地震特番を全国ネットで放映していました。TVの影響力は絶大で地震対策の事を掲載している私のホームページへのアクセス数も通常の倍以上に跳ね上がっています。
地震災害に対して備えをしておこうと云う基本的なメッセージには無条件に賛成なのですが、報道の仕方に何とも言えないもどかしさを感じます。丁度靴を履いたまま足の裏を掻く感じです。
製作スタッフの中に建築の専門家がいなかったのでしょう。聞き取り取材を中心に話題性ばかりを強調したために、地震エンタテーメントになっています。地震報道が娯楽番組になっているのです。
建物の地震対策についても玉石混淆でした。耐震・制震・免震・減震・断震等々色々な言葉が出ていましたが、法律用語として定義されているのは「耐震」と「免震」だけです。用語として定義されていると云う事は、その用語に対して法律と規制がしっかりと存在し、権利と義務が明記されています。法律で定義されていない工法で、中途半端なアイデアだけで実用化すると大変なことになります。
用語が定義されていない工法は、云わば野放し状態で、好き勝手に自社の製品の地震性能を謳っているにすぎません。万が一問題が発生した場合その責任の所在が問われます。例えば、地震が発生しても家が揺れないという事は、揺れている地面に立つ人から見れば建物がグラグラ揺れていると云う事です。揺れている建物と塀との間に人が挟まって死亡事故が起これば、誰が責任を取るのでしょうか。
昨日の番組の言い方で、「揺れない家」として国交省が法律で認めているのは「免震」のみです。
【関連コラム】
http://mbp-japan.com/osaka/oado/column/12444/
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