古代地図と軟弱地盤
地震対策に建設業界だけでなく、対策が急務だとしてさまざまな耐震グッズが販売されています。
タンスの下に敷くマットや転倒防止用の金物から、建物の工法に至るまで様々です。私のところにもよく飛び込み営業に来られます。「弊社の製品は特許申請中の画期的な装置で云々・・・」多くの営業マンから聞く特許申請中と云う言葉。特許を取っていれば本当に信頼出来るのでしょうか?
カタログを見ていますと、仰々しく特許申請中と書かれてあります。営業マンも売り込み材料に使用しています。でも特許が安全性と何の関係があるのでしょうか?
そもそも特許は、個人や企業の独自のアイデアを保護する為の法律です。「私がこう云う物を考案しました。独創性があり、他に類似品はありません」と云う申請をすれば、その効果のほどは全く問われる事なく特許申請中となります。個人や企業の権利を守る法律ですので、特許を取得したからと云って耐震性に優れているとは限りません。何某かの理由があって特許申請するのでしょうから、害にはならないにしても掛けた費用ほど効果のあるものなのかどうか全く判りません。
建物の工法に関して云えば、法律で定められている以外の造り方をする時は「大臣認定」を取得する事が義務付けされます。例えば免震装置がそうです。免震装置は基礎と土台をアンカーボルトで緊結する事を義務化している建築基準法に逆らって、基礎と土台を切り離しているのですから、「大臣認定」が必要となります。「大臣認定」を取得しようと思えば、ここまで必要かと思う程の過酷な試験を繰り返し、その装置の限界と条件を定め、その範囲の中で使用が初めて許されるのです。ですから、大臣認定取得の装置であれば、その条件を守る限り安心して使用できますが、特許だけでは安全に対する何の証明にもなりません。