古代地図と軟弱地盤
免震構造は、建物に地震の衝撃を伝えない唯一の構造です。また、工法的には国交省も認定した確立された工法です。
福島原発事故で何度もマスコミの話題となった、重要免震棟。この建物は、全プラントの状況を把握し、災害の拡大防止および復旧のための指揮を執ったり、自治体や消防等関係機関へのホットラインを備えた「緊急時対策室」が設置され、原子炉プラントの中枢の役割を果たします。
もしも、重要免震棟が無く、管理機能や通信機能が失われていれば、日本はもっと大パニックになっていたでしょう。管理設備や通信施設が転倒したり、破壊されることが無かったので、まだ被害が抑えられた方だといえます。
今回、原子炉も地震での直接被害が、今になって騒がれていますが、原子炉本体も免震構造になっていれば、原子炉を冷却できたのではないか、少なくともメルトダウンを遅らせ、ここまでの被害拡大を防げたのではないかと云われ始めています。
免震構造は、告示によりゴム免震。滑り免震。転がり免震の三つのタイプに分類されています。ゴム→滑り→転がりの順番に摩擦係数が低くなって行き、建物の重量によって使い分けがなされています。
鉄筋コンクリート造の様な重い建物には、摩擦係数の大きいゴム免震が有利で、木造住宅の様に軽い建物には転がり免震が適しています。
耐震構造や制震構造は地震の揺れを直接建物に伝えてしまいます。地震計をセットした建物を震度7の地震で揺らせて見ると、耐震構造の一階は震度7、二階部は震度7の1.5倍程度の揺れを観測します。制震構造でも一階・二階共震度7で揺れます。
免震構造では震度7の揺れも震度4程度(地震の衝撃を1/10~1/16程度)に抑えます。免震構造は理論的には全く揺れなくする事も可能ですが、あまり敏感に反応させてしまうと、人が手で押しても揺れる家になってしまい現実的ではりません。転がり免震は建物を揺らす事よりも、固定する事の方が難しいのです。