メンテナンスフリーの建築材料
顔を洗って蛇口を閉めると壁からトントントンと不思議な音が聞えてくる事があります。あれは何でしょう?
あれは水圧の変化で給水管が膨張収縮を繰り返す音なのです。
油はその分子構造の特性から体積が大きく変ります。それを応用したものが油圧サスペンションです。衝撃が一挙に加わっても油の体積が変化してクッションの役目を果たします。
油でなく水だと分子構造の違いから体積が殆ど変化しませんので、そのまま衝撃が伝わってしまいます。
水道の水が勢い良く流れて出て急に蛇口を閉めると、蛇口付近の水の圧力が一気に高まります。しかし油の様に体積が変化しませんので、給水管自体が膨張することになります。水道管が縦にも横にも伸びるのです。
水道管は金具で壁に固定されていますから、膨張した管と金具の間に摩擦が生じます。金具が管の膨張に抗し切れなくなって管が移動する時にトントントンと云う音が鳴るのです。
解消するには水圧を逃す機構が必要になります。油以外にも空気も体積が大きく変化しますので蛇口付近に空気溜りを造ってやると圧力の逃げ場となって音はしなくなるはずですが、死に水(溜まって流れない水で衛生上都合が悪い)を作ってしまう可能性があります。
トントントンと云う音がしてもその為に家に不都合が起こることはありませんので、そのままにしておいても問題ありませんが、どうしても気になるのであれば、蛇口を閉めるときゆっくりと閉めて末端の圧力が上昇しない様に気をつければ音はしないはずです。