「あの人には任せられない」と思ってしまうとき、信用は何でできているか

道下真介

道下真介

テーマ:ビジネス・職場における”ほめ育”



任せたいと思っているのに、最後は自分でやり直している。

報告が少し遅れるだけで、気になって仕方がない。

能力はあると分かっているのに、
「この人に任せたい」
と、もう一歩を踏み出しにくい。

管理職やリーダーの立場に立つと、こうした感覚は自然に起こるものだと思います。

会社を守る責任があるからこそ、任せる範囲や進み具合を確かめたくなるのです。

こんにちは^^ほめ育コンサルタントの道下真介です。

一方で、任される側には、
「何を積み重ねたら、任せてもらえるのだろう」
という思いがあるかもしれません。

今日は、任せる関係の土台になる信用について、一緒に考えてみます。


管理を細かくする前に、見ておきたいこと


任せるときには、目標、期限、報告の場を決める。

これは大切な準備です。

実際に、中小企業基盤整備機構の2024年度調査(人手不足に関心の高い中小企業・小規模企業者が対象)では、人手不足に関わる課題として、およそ5割が「人材育成」を挙げています。

任せられる人を育てることは、多くの会社にとって日々のテーマなのだと思います。

ただ、報告の回数だけを増やしても、任される側が「早めに相談しよう」と思えるとは限りません。

細かな確認が、期待を伝える時間になっているか。

それとも、評価だけを急ぐ時間になっているか。

この違いで、部下の行動は変わる可能性があります。


信用は、できることの量だけでは測りにくい


ある会社の社員研修で、私は信用についてお話ししました。

信用とは、
「この人に任せたい」
と思われることです。

資格や経験、目の前の仕事をこなす力も、もちろん大切です。

けれど、任せたいと思われるかどうかには、もう一つ見ているものがあります。

学び続けようとしているか。

自分の目標を決めているか。

起きたことに、責任を取る側に立とうとしているか。

研修では、参加者に「勉強になったなと思うのは、どんなときですか」とたずねました。

結果が出たとき。

人に話せるようになったとき。

そんな答えが出ました。

学んだことを仕事で試し、誰かに説明できるところまで進めたとき、学びはその人自身の力になります。

その積み重ねが、「この人なら次も考えて動いてくれそうだ」という信用につながるのではないでしょうか。


任せる側にも、任される側にも整えたい順番がある


任せる側は、最初に「なぜあなたに任せたいのか」を言葉にしてみてください。

正確に仕事を進めてきたこと。

お客様のために先回りしてきたこと。

仲間が困っているときに動いたこと。

その人の長所を具体的に伝えると、任される仕事の意味が見えやすくなります。

任される側は、やり方がまだ見えていないときこそ、目の前の仕事に「あと一つ足せることは何だろう」と問いかけてみることです。

報告に、できたことだけでなく、次に試したいことを一つ添える。

分からないことを、早めに相談する。

こうした小さなアウトプットが、信頼を育てます。

私が大切にしているのは、人には必ず長所があり、関わりの中で可能性は伸びていくという見方です。

同じ任せ方でも、安心して力を出せる条件は一人ひとり違います。

だからこそ、画一的な管理だけではなく、その人が力を出してきた場面を見ることが大切だと感じています。


まずは、次の報告で一つだけ聞いてみる


次の報告の場で、数字や進捗の前に、こう聞いてみてはいかがでしょうか。

「今回の仕事で、次に良くできそうなことは何ですか」

答えがすぐに出なくても大丈夫です。

考える時間を持つこと自体が、自分で決めて動く練習になります。

任された仕事を、会社の中で練習させてもらっていると捉えられると、目の前の経験から受け取れるものも増えていきます。

御社で任せる関係を見直すなら、次の三つを確かめてみてください。

□任せた理由を、本人の長所と結びつけて伝えられているでしょうか。

□報告の場で、できたことと次の工夫を一緒に見られているでしょうか。

□本人が、自分で決めた目標を言葉にできる場があるでしょうか。

当てはまる項目が増えるほど、任せる関係の伸びしろが見つかります。

同じ調査では、回答者の4分の1が人手不足を深刻と捉えていました。

今いる人が力を発揮し、次の人を育てられる関係をつくることは、これからの組織にとって大きな力になると思います。

御社に合った任せ方は、仕事の内容や役割、リーダーの関わり方で変わります。

一人ひとりの長所を見ながら整えることが、長く続く仕組みにつながります。

気になる項目があった方は、公式LINEで御社の状況を伺いながら、個別に整理しています。

【公式LINE登録はこちら】

次に読む1本:数字より習慣―信頼される人が積み重ねている当たり前のこと

あなたの職場の長所は、必ずあります。

参考にした資料

・独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業・小規模企業者の人手不足への取組状況に関する調査(2024年度)」

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

道下真介
専門家

道下真介(ほめ育コンサルタント)

株式会社Torus

ほめる習慣を組織に根付かせる「ほめ育」コンサルティングを展開。社内のほめる基準となるほめ育コンピテンシーを明確にし、ほめる基準とほめて育てる文化を組織に根付かせ、人材定着や業績向上のサポートをします。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

人をほめて育てる「ほめ育」コンサルタント

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ大阪
  3. 大阪のビジネス
  4. 大阪の経営コンサルティング
  5. 道下真介
  6. コラム一覧
  7. 「あの人には任せられない」と思ってしまうとき、信用は何でできているか

道下真介プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼