従業員の貢献意欲が低下…その裏にある組織の“見えない課題”

こんにちは。
ほめ育コンサルタントの道下真介です。
もしスタッフからこう聞かれたら、あなたは即答できるでしょうか。
「どうしたら、給料が上がりますか?」
先日、ある会社で人事評価制度をつくる研修をしながら、あらためてこの問いの重さを感じてきました。
「もらえるなら、欲しいです」
いろいろな会社で面談をすると、給料の話は必ず出てきます。
「お給料、もらえるなら、もっと欲しいです」
当然です。
私だってそうです。
では、と続けて聞きます。
「どうやったら上がると思いますか?」
ここで、ほとんどの方が止まります。
「……ちょっと、分からないです」
上げたい気持ちはある。
でも、何をすれば上がるのかが分からない。
だから、ずっと「それなり」に進めてしまう。
これはスタッフだけの話ではありません。
経営者も、売上を上げたい、利益を出したいと思いながら、次の一手が分からなければ止まってしまいます。
人は、望みがあっても、道が見えなければ動けないのです。
社長の鉛筆が、不満を育てる
明確な基準がない会社では、給料は社長の感覚で決まります。
「あいつは頑張ってそうだから、少し上げておこう」
「前も高かったから、今回も」
悪気はまったくありません。
むしろ善意です。
けれど、この"鉛筆なめなめ"の査定が積み重なると、あるとき蓋が開きます。
「なんで、あの人と私で、こんなに違うんですか?」
そのとき、理由を説明できないのです。
説明できない差は、受け取る側には「えこひいき」に見えます。
なぜもらえているのか、なぜもらえていないのかが分からないまま働き続けると、不満は静かに膨らみます。
やる気が下がり、「なんとなく嫌になって」辞めていく人が出ます。
誰も悪くないのに、仕組みがないだけで、人が離れていくのです。
給料を、自分で決められるものにする
研修先の会社では、これを根本から作り替えています。
どうやったら上がるのか。
どうなったら下がるのか。
等級と評価の基準で、全部見えるようにする。
そうすると、給料は「もらうもの」から「自分で決めるもの」に変わります。
「月にこれくらい欲しい」という希望があるなら、そこから目指す役職と、身につけるべき力が逆算できます。
頑張りの方向が、初めて目標になるのです。
もらいすぎている人は是正され、もっともらうべき人はしっかり報われる。
そして本人も、「自分が今この位置にいる理由」を自分の言葉で説明できるようになります。
研修先の社長は、こう腹を決めていました。
「会社をこれから何倍にも大きくしていくのに、給与の査定が曖昧なのは、ありえない」
答えられる会社にする
給与の透明化と聞くと、冷たい管理の話に聞こえるかもしれません。
でも実際は、逆です。
「こうすれば上がるよ」と道を示すことは、スタッフの頑張りを信じて、報いる準備をしておくことです。
冒頭の問いに戻ります。
「どうしたら、給料が上がりますか?」
この質問に、あなたの会社の言葉で答えられるようにしておく。
それが、スタッフを大切にする、いちばん実務的な形のひとつだと私は考えています。
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