評価制度の研修で、いちばん空気が変わったのは「手紙」でした

こんにちは。
ほめ育コンサルタントの道下真介です。
先日、ある建築関係の会社で、人事評価制度をつくる研修をしてきました。
その日、いちばん具体的に決まったことは何だったか。
等級でも、給与テーブルでもありません。
「毎週月曜、朝10時半から、社長と若手がキャッチボールをする」でした。
「僕、彼のことを分かっていない」
きっかけは、コミュニケーションのワークのあと、社長がぽつりと言った一言でした。
その会社には、入社して間もない若手スタッフがいます。
部署も現場も違うので、社長との接点はほとんどありません。
「僕も彼のことを分かっていないし、彼も僕のことを分かっていない。もう少し話そうかなと思いました」
いい気づきです。
ただ、ここで終わると「今度メシでも行くか」で立ち消えになるのが世の常です。
だから私は聞きました。
「どうやって近づきますか?」
「朝来たら、二人でくだらないことを喋るとか」
いいですね。
何気ない会話こそ、お互いを理解するいちばんの近道です。
釣りではなく、キャッチボールだった理由
関係づくりのコツは、相手が大事にしているものを、一緒に大事にしてみることです。
たとえばご家族となら、お子さんの好きな遊びに自分も乗ってみる。
それと同じことを、職場でもやってみる。
社長が言いました。
「釣りに行くか」
……いや、ちょっと違うな、と本人がすぐ撤回します。
会場に笑いが起きました。
そこで出てきたのが、キャッチボールでした。
その若手は、野球をやっていた人だったのです。
「一緒にやりたいです」と本人。
じゃあ何曜日にする?月曜。
時間は?10時半。
その場で、予定になりました。
「軟式で」
「社長にどんな球を投げるつもり?」
と、部屋はすっかり盛り上がっています。
私は横から一言だけ添えました。
「これで関係が悪くなったら、僕が謝ります」
キャッチボールが大事なのではない
種明かしをすると、この話の本体はキャッチボールではありません。
大事なのは、「あなたを理解したい」と、社長の側から動いているということです。
その姿勢は、球と一緒に必ず相手に届きます。
そして「社長、変わったな」という空気になって、職場に広がっていきます。
もうひとつの本体は、曜日と時刻を決めたことです。
「今度話そう」は、続きません。
「月曜の10時半」は、続きます。
関係づくりを気合に任せず、予定にしてしまう。
続く仕組みにするのは、実はこの一手間だけです。
今日からできる一歩
職場で、少し距離を感じる人を一人、思い浮かべてください。
その人が好きなもの、大事にしているものを、1つ聞いてみてください。
乗れそうなら、乗ってみてください。
そして、曜日を決めてください。
飲み会でなくても、面談でなくてもかまいません。
週に10分の、くだらない話でいいのです。
あの会社では今ごろ、月曜の朝に、社長と若手がキャッチボールをしているはずです。
関係づくりは、そういう小さな予定から始まります。
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