マイベストプロ大阪
神野沙樹

「活き生き組織」をともに作る社会保険労務士

神野沙樹(かみのさき) / 社会保険労務士

株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設)

コラム

【プロジェクト型 就業規則作成】具体的な手法公開!あなたの職場で活躍するための要素(コンピテンシー)とは

2019年2月26日 公開 / 2021年2月26日更新

テーマ:いきいき職場づくり(組織活性)

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 就業規則 作成

312


コンピテンシーを考えることは

「自分たちが目指すべき行動が見える」ということ




コンピテンシーとは「仕事ができる人の行動」のことです。

例えば、皆さんの会社で仕事ができる人、成果を出すことができている人は、
どんな行動をしているでしょうか。

ポイントは、意識や考え方ではなく、「行動」という点です。

もちろん、行動には意識や考え方が紐付いています。
思っていないことは行動として現れませんし、成果にもつながりません。

しかし、意識や考え方はメンバーと共有することは難しいもの。

だからこそ、「成果を出している人がどんな行動をしているか」を知り、
メンバー同士で真似をすることで、意識や考え方も含めた「価値観」を共有していく、
それがコンピテンシーを明らかにするワークです。

【公開!】コンピテンシー(行動方針)をメンバー全員で決める方




具体的なワークの方法は次の通りです。

1.各自で3~5つ選ぶ

写真1

行動の要素を表すコンピテンシー一覧(75項目)から、
「成果を出している人が行っている行動」あるいは
「成果を出すには必要だと思う行動」を各自、3~5つ選びます。

※コンピテンシー一覧には、「思いやり」「プレゼンテーション力」
「専門知識の習得」「部下・後輩の育成」など要素が書かれているものです。

0ベースで考えても問題ありません。
ただ、一覧があったほうが議論しやすいというメリットがあります。

2.グループで5つ選ぶ





各自選んだ(出した)「成果を出している人が行っている行動(=コンピテンシー)」を、
4~5人グループで共有し、その上で話し合いによって「グループで5つ」に絞ります。

3.全員で5つ選ぶ

写真3

各グループが選んだ(出した)「成果を出している人が行っている行動(=コンピテンシー)」を、
プロジェクトメンバー全員で共有し、
さらに話し合いによって「メンバー全員で選んだ5つ」に絞ります。

4.行動を書き出す
グループ全体で選んだ一つ一つの項目について、「具体的な行動」を書き出していきます。
各自、一項目5つの具体的な行動を書き出していきましょう。

ポイントは「具体的」という点と「行動」という点。

例えば「思いやり」というコンピテンシーを選んだとします。
その場合、御社の、皆さんの仕事でいう「思いやり」とは具体的にはどんな行動でしょう?

具体的に書くポイントは、「◎◎したときは△△する」という表現にし、
「いつ」「どのように」という要素を入れると具体的になります。

二つ目は「行動」という点。

例えば、「相手のことを考える」…これは「行動」ではありません。
相手のことを考えた行動とは何か、を書き出します。

自分の手が空いたらすかさず「何か仕事ありますか」と聞くことでしょうか?
それとも「相手のご家族の情報を知り、
ご家族の誕生日にはおめでとうございます、と声かけをする」ことでしょうか?

みなさんのお仕事ならではの「思いやり」があるはずですので、
それを具体的な行動として言葉にしていきます。

5.まとめる





各自が書いた「具体的行動」をコンピテンシーごとに集め、
各コンピテンシーに対してどんな具体的な行動を書いたか、まとめていきます。

似たような行動は集め、具体的になっていない行動は具体的にしていきます。

これで「オリジナルコンピテンシー(行動方針)」は完成です。

6.活用する

写真5

写真6

作った行動方針を、実際の行動につなげるために、紙に印刷したり、
小冊子にまとめたり、朝礼で「今週のコンピテンシー」を宣言したり、活用していきます。

半年に一度、コンピテンシー表彰をされている会社様もあります。

自分たちが目指すべき行動が見えるということは

「行動に迷いがなくなる」ということ




コンピテンシーを明確にする、
言い換えると「自分たちが目指すべき行動が見える」ということは、
組織にとってどのような変化を生み出すでしょうか。

「メンバー自身に対して」は、
・行動改善(変革)につながる
・行動に迷いがなくなる
という変化があります。

今までは各自バラバラのことを考えて行動していたのが、
「行うべき行動」を共有することによって、行動が変わったり、
迷いがなくなるというメリットがあります。

もう一つ、「応募者(これから仲間になるメンバー)に対して」は、
・組織で大切にする行動を共有しやすくなる
・新人を育成しやすくなる
という変化があります。

冒頭でも書いたように、意識や考え方はなかなか共有しづらいものです。
だからこそ、「私たちの組織で大切にする行動はこれです。
具体的には、◎◎のときは△△してください」と言えば、真似しやすく、共有しやすいですね。

ぜひ、みなさんの職場で「仕事ができる人になるための行動」を
明確にされてみてはいかがでしょうか。

■まとめ

今回は、あなたの職場で活躍するための要素(コンピテンシー)を
明確にするワークをご紹介しました。

コンピテンシーとは、「仕事のできる人の行動」「成果を上げている人の行動」。
メンバー同士で話し合い、共有、書き出すことによって、
各自の価値観を知ることができるとともに、全員で行うべき行動を共有することができます。

その過程は、
1.選ぶ
2.書き出す
3.まとめる
ととてもシンプルです。

何より、「自分たちで決めた行動方針」ですから、トップダウンで示された行動方針より、
「行動に繋がりやすい」という大きな特徴もあります。

ぜひ、実施されてみてはいかがでしょうか。



-------------
◆関連コラム◆

【プロジェクト型 就業規則作成】キックオフ、開始時に押さえておきたい3つのポイント
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5014430/

【プロジェクト型 就業規則作成】就業規則を作る目的をメンバーで共有する
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5016783/

【プロジェクト型 就業規則作成】アイスブレイクワーク「会社の強み・課題」
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5015485/

【プロジェクト型 就業規則作成】リーダーが知っておきたい個別面談のイロハ
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5017503/

【プロジェクト型 就業規則作成】具体的な手法公開!あなたの職場で活躍するための要素(コンピテンシー)とは
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5018320/

【プロジェクト型 就業規則作成】プロジェクトを一気に加速させるたった1つの秘訣
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5019688/

【プロジェクト型 就業規則作成】チームの価値観を明確にし、共有する
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5020191/

【プロジェクト型 就業規則作成】「堅苦しくない就業規則」の作り方
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5021047/

【プロジェクト型 就業規則作成】就業規則のタイトル付け3つのポイント
https://mbp-japan.com/osaka/kes-sr/column/5023010/

この記事を書いたプロ

神野沙樹

「活き生き組織」をともに作る社会保険労務士

神野沙樹(株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設))

Share

関連するコラム

神野沙樹プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
06-6536-2207

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

神野沙樹

株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設)

担当神野沙樹(かみのさき)

地図・アクセス

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ大阪
  3. 大阪の法律関連
  4. 大阪の労働問題・就業
  5. 神野沙樹
  6. コラム一覧
  7. 【プロジェクト型 就業規則作成】具体的な手法公開!あなたの職場で活躍するための要素(コンピテンシー)とは

© My Best Pro