【プロジェクト型 就業規則作成】アイスブレイクワーク「会社の強み・課題」

神野沙樹

神野沙樹

テーマ:いきいき職場づくり(組織活性など)

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アイスブレイクワーク1「会社の強み・課題」を考えよう




前回のコラムでは、キックオフミーティングで押さえておきたい3つのポイントについて確認しました。
(参考:プロジェクト型(参加型)で進める働き方改革・就業規則づくり(1)キックオフ、開始時に押さえておきたい3つのポイント)

今回は、「プロジェクト型で進める働き方改革」において最初に取り組みたいワークをご紹介します。

なお今回ご紹介する内容は、できれば全社員で考えたい内容ですが、
規模や会社の事情によって難しいこともあるかもしれません。

その場合は、プロジェクトメンバーだけのミーティングの
「第1回目」のテーマとして取り上げても構いません。

それでは、2つのワークをご紹介します。

1つ目のワークは「会社の強みと課題」を自由に書き出そう、というもの。

このワークの狙いは、「アイスブレイクとして発散する」という意味合いです。

「プロジェクトを開始するから、働き方について意見を出してください」
といってもなかなか出てこないもの。

ですから、「会社の強みと課題」を考えるというテーマをもとに、
意見を出し、他の社員の意見を聞き、まとめるという取り組みをします。

なかには、「すでに会社の強みや課題は知っている」
「あえて話し合わなくても皆で共有している」と思われる社員の方もいらっしゃると思います。

この点について、「納得して取り組むかどうか」「理解して参加するかどうか」は
二の次としていただいて結構です。

賛成する・反対する・興味ない、どのスタンスでも構いませんが、
ひとまずその場にいていただき、少しでも良いので意見を発散させる、
「プロジェクトで何をしたのか」ということを知っていただくことが重要だからです。
(発散の重要性は「働き方改革のすべてが詰まった「就業規則」。自分たちの働き方を体現するツールにする方法 参照)

また、普段から考えていると言っても、
全社員で課題や強みを考え、言葉にするということは少ないもの。

普段の「愚痴」ではなく、強みと課題を共有しあい、
何を考えているかまず共有することに意味があるからです。

アイスブレイクワーク2「会社が発展することは私たちにとって」




次に、「プロジェクト型で進める働き方改革」において
最初に取り組みたいワークの2つめをご紹介します。

それは「会社が発展することは私たちにとって(どういういいことがあるか)」
について自由に書き出そうというもの。

狙いは、「自分」と「会社の発展」が繋がっていることを認識する意味合いです。

「会社が発展することは私たちにとってどんないいことがありますか?」
と聞かれると、まず出てきやすいのが、
「給料が上がる」「休めるようになる」「やりたい仕事ができるようになる」というもの。

もちろん、これらも大切な要素です。

そしてさらに書き出しを進めると、待遇以外にもいろいろな「良いこと」が出て来ます。
(何が出てくるかは、ぜひ御社でされてみてくださいね)

このワークをすることで、
「これから始めるプロジェクトは、
(ワークで出てきた)『会社が発展すると良いこと』を実現するためにやっていくものだ」
ということを共有しやすくなります。

手法はシンプル!3つのステップで意見を出し、共有する方法




上記でご紹介した2つのワークは、手法は同じで、とてもシンプルです。

2つのワークを、それぞれ次の1から3のステップを進めていきます。

ステップ1 書く
ステップ2 まとめる
ステップ3 共有する

なお、同時に2つのワークを進めるのではなく、
「会社の強み・課題ワーク」を以下のステップ1~3まで進めた後、
「会社発展は私たちにとってワーク」について
再度ステップ1~3まで進める方が議論が整理できます。

1.個人でできる限りたくさん書き出しを行います。
(書き出し時間:1テーマ10~15分ほど)

(ワーク1)「会社の強み」「会社の課題」を書いてください
(ワーク2)「会社が発展することは私たちにとって」を書いてください

この時、付箋やタックシールを使うと便利です。
(少々費用は増えますが、タックシールの方があとから剥がれることもなく、便利です)

タックラベル
タックラベル(ASUKULサイト):https://www.askul.co.jp/p/3044949/

1枚のシールに一つの強み、あるいは課題、
会社が発展することは私たちにとってどんな良いことがあるかを書きます。

名前は書かなくて結構です。

大切なことは、とにかくたくさん出すこと。
コツは「1人、強みと課題、それぞれ最低5つ以上出せると思います」と数を伝えておくこと。
すると人の脳は「5つ以上意見をだそう」という思考になります。

2.グループで、出した意見をまとめていきます
(まとめ時間:1テーマ20分ほど)

(1)5~7名をひとグループとして、一枚の模造紙を囲みます

(2)自分が書いた意見を共有します

(3)「似たような意見」があればそのシールを固め、
   「どんな意見のグループか」というタイトルをつけておきます
  (例:仲が良い・会話がある・人がらが良い→良好な人間関係)

(4)各グループを模造紙に貼り付けていきます。
  その際、各グループの関係性を矢印で表します。
  (例:良好な人間関係→仕事の質が高い→お客様満足度が高い→売上が伸びている)

完成品

3.各グループでまとめた内容を発表し、他のテーブルでどのような議論が行われたかを共有します

■まとめ


今回は、キックオフミーティング後、まず取り組みたい2つのワークを紹介しました。

1.「会社の強み・課題」を考えてみよう
2.「会社が発展することは私たちにとってどんな良いことがあるのか」を考えよう

ステップはシンプルな3つ。

ステップ1 書く
ステップ2 まとめる
ステップ3 共有する

目的は、意見の発散とアイスブレイク、認識の再共有です。

もちろん他のワークでも代用できますが、
ワークに慣れていない方でも意見が出しやすいこのワークはオススメです。

肩肘張らず、「今からスタートするぞ」という認識を
みなさんで共有する意味でぜひ実施されてみてくださいね。

次のコラムでは、「就業規則を作ることの目的」を共有する方法をお伝えします。
就業規則を作る目的をメンバーと共有する



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神野沙樹
専門家

神野沙樹(社会保険労務士)

株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設)

経営者様、社員のみなさん自身による「就業規則」や「評価制度」づくりをサポートする社会保険労務士。第三者の立場として「制度づくり+人づくり」を促し、真にイキイキとした職場づくりを提案します。

神野沙樹プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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