障害者差別・合理的配慮の相談は増加傾向

鈴木圭史

鈴木圭史

テーマ:障がい者雇用

厚生労働省は6月、「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績(令和元年度)」を公表しました。

 法律では、事業主に対して募集や採用などに関して障害者であることを理由とする差別を禁止すると定めています。

 また、障害者が応募しやすく仕事をしやすいような配慮をすることを定めています。これを「合理的配慮」と言い、たとえば聴覚障害者の面接を筆談等でおこなうといったことがあげられます。

 相談実績によると、相談件数は前年度比2.4%増の254件で、障害者差別に関する相談が75件、合理的配慮に関する相談が179件でした。相談件数は制度が施行された平成28年度から増加傾向にあります。

 合理的配慮に関する相談事例は次のようなものです。

・障害特性に配慮した業務量の調整等がおこなわれなかったために、体調不良で休まざるを得なかったにも関わらず、勤務成績不良として契約が更新されず雇止めとなった。
・通院のための休暇取得について職場で情報共有されず、無断欠勤呼ばわりされた上、仕事が与えられないなどの扱いを受けたため、職場に居づらくなり、退職せざるを得なくなった。

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鈴木圭史
専門家

鈴木圭史(特定社会保険労務士)

ドラフト労務管理事務所

社労士として20年以上の経験を誇り、労務相談から発展した、労務リスクの回避につながる労務監査を推進。IPOやM&A支援でも実績があります。「船員の働き方改革」に対応する海事代理士業も。

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