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働き方改革における大企業と中小企業

2019年5月14日

テーマ:法律改正

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 働き方改革

働き方改革により、有給休暇の義務化や時間外労働の上限規定、同一労働同一賃金についてなど、様々な改正が順次行われています。しかし、改正の適用は「中小企業」に猶予措置が取られることが多く、大企業と施行日が異なる場合があります。法律を守るためにも自社が大企業なのか中小企業なのか、把握しておく必要があります。

<中小企業の定義>
中小企業に該当するか否かの区分は、①「資本金の額又は出資の額」②「常時使用する労働者数」で決まります。(①②を両方満たしている場合は大企業となる)
(資本金の額又は出資の額/常時使用する労働者数)
〇小売業の場合
5000万円以下/50人以下

〇サービス業(派遣業)
5000万円以下/100人以下

〇卸売業
1億円以下/100人以下

〇上記以外の業種(製造業、建設業、運輸業等)
3億円以下/300人以下
*業種の分類は「日本標準産業分類」で判断されます。

【例】製造業で資本金5億の場合
従業員数が100人→中小企業(従業員の人数が300人以下の為)
従業員数が500人→大企業

<産業分類の調べ方>
 業種の分類は「日本標準産業分類」で判断されます。分類の調べ方は、インターネットで「日本標準産業分類 e-Stat」を検索・アクセス→キーワードに職種を入力等し、あてはまるものを探します。
●小売業 
・大分類Iのうち中分類56~61
・大分類Mのうち中分類76,77

●サービス業
・大分類Gのうち中分類38,39,411,412,415,416
・大分類Kのうち中分類693,70
・大分類L
・大分類Mのうち中分類75
・大分類N(小分類791を除く)
・大分類L,O,P,Q,R

●卸売業
・大分類Iのうち中分類50~55

●その他
上記以外すべて

<施行日>
〇時間外労働の上限規制
大企業→2019.4月/中小企業→2020.4月
時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別の事情がある場合でも年720時間以内、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間以内(休日労働含む)を超えることはできません。
派遣会社においては、派遣先によって上限規制の年度が変わることになります。例えば、派遣元が中小企業であっても、派遣労働者の派遣先が大企業であれば2019年4月以降に上限規制が適用されます。また、適用猶予事業・業務についても同じような考え方になります。

〇月60時間を超える残業の割増賃金率引き上げ
大企業→2010.4月/中小企業→2023.4月
月の時間外労働が60時間を超得た場合、60時間を超えた部分の割増賃金率を50%以上で支払う必要があります。

〇同一労働同一賃金
大企業→2020年4月/中小企業→2021年4月
(*派遣会社においては大企業・中小企業関係なく2020年4月から施行)
正規雇用労働者(正社員や無期雇用労働者)と有期雇用労働者・短時間労働者の不合理な待遇を改善する。

「有給休暇の5日取得の義務化」や「労働時間の把握義務(管理監督等)」等については、大企業、中小企業関係なく、一律で2019年4月から施行となっています。

この記事を書いたプロ

鈴木圭史

労務相談の専門家

鈴木圭史(ドラフト労務管理事務所)

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