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コラム

外国人雇用 在留資格と改正

2019年3月19日

テーマ:外国人労働者

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 特定技能

 2018年12月「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が成立し、2019年4月より新たな在留資格が、新設されました。新たな在留資格である「特定技能」は、技能水準によって「特定技能1号」「特定技能2号」に分けられ、技術や在留可能期間に違いがあります。

<技能実習と特定技能の違い>
 在留資格の「技能実習」との大きな違いは、“就労”を目的としているかどうかです。「技能実習」は技能の習得してもらうための国際貢献の制度であり、目的は“学ぶ”ことにあります。一方、「特定技能」の目的は“就労”であり、即戦力となる人材です。

<特定技能>
〇目的
日本における、外国人の就労は専門的・技術的分野の職種に限定されており、外国人の単純労働は原則禁止されています。しかし、深刻な人手不足に対応する為、新たに取り入れられた枠組み(在留資格)が「特定技能」です。特定技能は、「特定技能1号」「特定技能2号」の2種類があり、特定技能2号の方が技能水準が高くなります。

<特定技能1号> 
特定技能1号は、日本語の試験・技能試験に合格した者又は、同分野の第2号技能実習を修了した者となります。

〇試験
1号特定技能外国人には、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力の日本語能力と、相当期間の実務経験等を要する技能であって、特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準が求められます。試験は、分野所管行政機関(同期間が定める試験実施者)及び日本語試験実施機関が原則国外で実施します。

〇対象となる14の分野
介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業

〇在留期間 
最長5年(ビザの更新をしながら通算5年まで)。

<特定技能2号>
 長年の実務経験等により身につけた熟練した技能(専門的・技術的分野の在留資格と同等またはそれ以上の専門性や技能を要する技能)が求められ、特定技能1号より難しい技能試験に合格することが必要です(制度開始から2年後に本格導入する方針)。

〇対象となる分野 
建設、造船・舶用

〇在留期間 
制限なし(ビザの更新が認められる限りは在留の継続が可能)。

<その他>
・転職可能(同一の業務区分内または試験等により技能水準が共通と確認されている業務区分間)
・家族(配偶者と子)の帯同(一緒に連れてくること)は、特定技能1号:不可、特定技能2号:可
・18歳以上であること
・外国人が帰国旅費を負担できない場合は受け入れ先が負担

<特定技能所属機関>
 「特定技能所属機関」とは、特定技能の外国人と雇用契約を結んだ公私の機関つまり、特定技能外国人を雇う企業(事業主)のことです。特定技能機関は、特定技能雇用契約を変更した時や、雇用契約を締結した時、当該契約が終了したとき等、出入国在留管理庁長官(4月より法務省入国管理局が格上げされ、出入国在留管理庁となる)に届出が必要です。
 雇用契約はフルタイムで原則直接雇用、外国人が所属する機関は1つに限られます(複数社との雇用契約は認められない)。報酬は、日本人と同等以上、口座振込等支払額が確認できる方法で支払う必要があります。
また、特定技能1号に限っては、支援計画に基づき、適正な支援を行える能力・体制がある事が基準の1つとなっています(登録支援機関に支援を委託すれば、この基準に適合するものとみなされる)。

 人手不足となる中、外国人を雇用が注目されています。外国人を雇用する場合は、在留カードで在留資格や在留期間等を確認し、必要な手続きをしっかり行いましょう。もし、就労できない外国人を働かせた場合は、「不法就労助長罪」として事業主に厳しい罰則が設けられています。
(2019年1月末現在)

この記事を書いたプロ

鈴木圭史

労務相談の専門家

鈴木圭史(ドラフト労務管理事務所)

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