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鈴木圭史

労務リスクの改善の専門家

鈴木圭史(すずきけいじ)

ドラフト労務管理事務所

コラム

事業場の考え方(直近上位)

2019年1月26日

テーマ:労働基準法関連

事業場は、別々の場所にある場合は、原則としてそれぞれ個別の事業として適用されます。しかし、出張所など、著しく小規模で独立性のないものについては、直近上位の機構と一括して1つの事業場として取り扱うことができます。

事業場を一括するかどうかによって、労働基準法、安全衛生法の規定による、就業規則の作成や36協定、安全衛生管理者等の対応が変わります。
「例えば常時使用する労働者が、本店20名、支店a:8名 b:15名 c:25名 サービス業の場合」
〇それぞれが事業場となる場合
支店a以外は就業規則の作成が必要であり、時間外労働をさせる場合は、36協定は各事業所で届出が必要です。また、支店a以外は衛生推進者を選任する必要があります。

〇支店すべて本店と一括となる場合、
就業規則、36協定は1つで問題ありません。
また、事業場の人数が68名となるので、衛生管理者や産業医の選任、衛生委員会の設置が必要となります。また、ストレスチェックの義務や定期健康診断結果の報告等が必要となります。

<新聞社の地方通信機関>
新聞社の地方通信機関(総局、支局、通信局等新聞記者が常駐する機関)に勤務する者は、本社の直接指揮統括の下、地方の行ける新聞記事を取材し原稿を送っているだけであり、本社(地域ごとに本社がある場合はその本社やこれに準ずるもの)と一括して1つの事業とできます。
ただし、たんに記者が常駐しているだけでなく、人事給与に関する権限や事務を取り扱っている場合は、1つの事業場とする必要があります。

<工事現場>
建設業の場合、店社(本社や支店)と工事現場があります。工事現場については、現場に事務所があり、当該現場において労務管理が一体として行われている場合を除き、直近上位の支店等に一括して適用とされています。

<営業所や支部>
規模が著しく小さく、組織的関連、事務能力の点から独立性のない営業所や支部については支社と一括して一つの事業として取り扱います。

<在宅勤務>
在宅勤務の場合、自宅が作業場となりますが、規模が著しく小さく、組織的関連等から1つの事業場という程度の独立性がないものと考えられます。また、事業場と考えた場合、労働基準監督署の臨検(立ち入り調査)の対象となることを考えると事業場とみることはできず、通常の就業場所(所属する部署)が事業場となります。

<公立学校の学校給食事業>
公立学校の給食場は、管轄の教育委員会に一括し、1つの事業場として取り扱います。

<申請の基準・手続き>
〇基準(すべて満たしている必要があります)
・人事、経理、経営(又は業務)上の指揮監督、賃金の計算、支払いなどに独立性がないこ        と 
・健康保険、労災保険等の社会保険について、本社や主たる支社で一括処理されていること
・労働者名簿、賃金台帳などの法定帳簿類が、本社や主たる支社に備え付けられていること

〇手続き
「雇用保険事業所非該当承認申請書」を速やかに、非該当の承認を受けようとする出張所等を管轄するハローワークへ提出する。

直近上位の事業場と一括することで、新たに就業規則や労使協定を作成する必要がなくなります。一括できるのかどうか、微妙だと感じた際は、事前に労働基準監督署に確認する方がいいでしょう。

この記事を書いたプロ

鈴木圭史

労務リスクの改善の専門家

鈴木圭史(ドラフト労務管理事務所)

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