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コラム

介護休業について

2018年11月20日

コラムカテゴリ:法律関連

介護休業とは、労働者が要介護状態にある対象家族を介護するための休業のことです。事業主の方は、介護休業の申出があった場合は取得させる必要があります。
<要介護状態>
負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護(介護保険制度の要介護状況区分において要介護2以上である等)を必要とする状態のことを言います。

<対象家族>
対象家族は、労働者(本人)の配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫及び配偶者の父母のことをいい、同居及び扶養の有無は問いません。

<申請期間と回数>
対象家族1人につき3回に分けて、合計93日取得できます。(h29年1月施行)
これにより、93日を1回で取得することや、3回(1回目30日、2回目30日、3回目33日等)に分けて取得とすることもできます。ただし、取得日数が余っている場合でも、4回目以降の取得はできません。

<申出があった場合>
介護休業は、休業開始予定日の2週間前までに事業主に申し出ることになっています。
労働者より介護休業の申出があった場合は、速やかに
①介護休業申出を受け付けた旨 ②介護休業の開始予定日及び終了予定日 
③介護休業を拒む場合はその旨及び理由 
を書面(労働者が希望する場合はメール等)で通知しなければなりません。
*介護休業の申出が2週間前までに行われなかった場合は、開始日を労働者の希望する予定日から申出のあった日の翌日から2週間経過日までのいずれかの日で指定できます。
*対象家族であるか、要介護状態であるか等を証明する書類の提出を労働者に求めることができます。

<取得を断れる場合>
以下のいずれかに該当する場合拒むことが可能です。
〇日雇い労働者
〇事前に「介護休業の適用除外に関する協定」を締結しており、勤続1年未満の労働者やその他合理的な理由があると認められる労働者(申出の日から93日以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者や1週間の所定労働日数が2日以下の労働者)を適用除外としている場合
〇有期雇用労働者で、入社1年未満である者や介護休業を開始しようと留守日から93日経過する日までに労働契約の期間が満了することが明らかである場合
〇2回連続で介護休業の申出を撤回された場合

<その他の仕事と介護の両立支援制度>
〇介護休暇
1年度(毎年4/1~3/31)に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)を限度として、対象家族の介護その他世話(通院の付添等)を行うための休暇です。1日または半日単位で取得可能となっており、請求があった場合、与える必要があります。
ただし、労使協定により、一部の労働者につき対象外とすることができます。

〇所定外労働の制限
事業の正常な運営を妨げる場合を除き、所定労働時間を超えて労働させてはいけません。1回につき、1か月以上1年以内の期間において制限の請求ができ、対象家族1人につき、介護の必要がなくなるまで何回でも請求できるものです。
ただし、労使協定により、一部の労働者につき対象外とすることができます。

〇時間外労働制限
事業の正常な運営を妨げる場合を除き、1か月に24時間、1年に150時間を超える時間外労働をさせてはいけません。
対象家族1人につき、介護の必要がなくなるまで何回でも請求できるものです。
ただし、雇用期間が1年に満たない者や1週間の所定労働日数が2日以下の労働者は対象外にできます。(例外:配偶者が専業主婦(夫)や育児休業中の場合等は対象外にできない)

〇深夜業(午後10時~午前5時)の制限
事業の正常な運営を妨げる場合を除き、深夜における労働をさせてはいけません。労働者は、何回でも請求できます。
ただし、雇用期間が1年に満たない者や夜に対象家族を常時介護できる同居の家族(16歳以上で深夜業を行っていない者等)がいる場合等は請求できないものとなっています。

*すべて要介護状態にある対象家族の介護において、労働者より申出があった場合です。

その他「所定労働時間の短時間等措置等の設置」(平成29年1月に施行)を労働者の申出に基づき与える必要があります。短縮等措置とは、「所定労働時間を短縮する制度」や「フレックスタイム制度」「始業・終業時刻の繰り上げ繰り下げ」「労働者が利用する介護サービスの費用の助成その他これに準ずる制度」の内、少なくとも1つを制度化(就業規則等に規定)している必要があります。

この記事を書いたプロ

鈴木圭史

労務相談の専門家

鈴木圭史(ドラフト労務管理事務所)

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