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コラム

労働災害が起こったら

2018年11月3日

テーマ:労災保険

コラムカテゴリ:法律関連

労働者が労働災害により負傷した場合、3日間の待期後、4日目から労災保険の休業(補償)給付が支給されます。この時、業務上の災害で負傷した場合、事業主の方は待期期間の3日間、労働基準法の休業補償(平均賃金の60%以上の額)を行わなければなりません。(通勤災害の場合は支払う必要はありません。)
もし、労働災害が起こったら、「被災者の治療」、「災害の事実関係の把握」、「労災給付の案内・書類の提出」を行う必要があります。

〇災害の事実確認の把握
日時、災害の原因、状況、目撃者等を把握しておきます。後日、届出や捜査の際必要となってきます。

〇労災給付の案内・書類の提出
労災給付の請求は、基本、本人またはその遺族が行います。請求の手続書類に「事業主の証明」が必要となるので、事業主の方は対応しましょう。(事業主が証明を拒否した場合でも、労働基準監督署によって受理されます)
事業主は、「労働者死傷病報告」を労働基準監督署に提出しなければなりません。提出期限は、労働者の休業の日数で異なります。休業が4日未満の場合は4半期に一回(1月~3月の間の労災であれば4月末まで)、休業が4日以上(死亡の場合も含む)の場合は速やかに提出となっています。提出をしない場合や、虚偽の報告を行った場合は、刑事責任が問われることがあります。

<注意>
労働者を一人でも使用する会社は原則、労災保険の強制適用事業となり、保険関係の成立した日の翌日から10日以内に手続きをする必要があります。事業主の故意、または重大な過失により労災保険に係る成立手続きを怠っていた場合、労災保険給付に要した費用の全額または一部が徴収されます。また、その他にも事業主の故意または、重大な過失により発生させた業務災害が原因である事故の場合等も徴収の対象となります。

労働災害防止を図るため、重大な労働災害(労働者が死亡した場合や障害等級1~7級)を発生させた場合や、労働災害の発生件数が多い場合等、必要があると認められる事業者に対して、都道府県労働局長より、「安全衛生改善計画」の作成が指示されます。また、同様の重大な労働災害を繰り返し発生している場合、再発防止のため厚生労働大臣により、「特別安全衛生改善計画」の作成が指示されます。
まずは、労災が起きないよう労働安全衛生関係の法令を守り、危険防止の措置、健康管理、安全衛生の管理体制の整備等、事業者に義務付けられている措置を行い、自主的にヒヤリハット活動や危険予知活動、リスクアセスメント(リスクの特定・分析)等に取り組んでおくと良いでしょう。そして、もし労災が起きてしまったときは、必要な対応行いましょう。

この記事を書いたプロ

鈴木圭史

労務相談の専門家

鈴木圭史(ドラフト労務管理事務所)

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