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コラム

派遣先責任者講習 労働基準法等の特例について

2018年8月28日

テーマ:派遣先責任者講習

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 労働基準法 違反

派遣先責任者は、講習は義務付けられてはいませんが、能力向上を図るにあたり、派遣先責任者講習を受講させることが望ましいとされています。(派遣先責任者講習実施に関するガイドライン)
労働基準法等は、原則労働者と労働契約を結んでいる派遣元が負いますが、労働者派遣の実態から派遣元の事業主に責任を問うことが困難な事項については特例により、労働基準法、労働安全衛生法、じん肺法、作業環境測定法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法において派遣先の事業主に責任を負わせる規定を設けています。

<労働基準法> 
「労働時間・休日」、「「差産前産後の時間外・休日・深夜業」「育児時間」等
・「労働時間・休暇」
枠組みは派遣元が規定、その中で派遣先が決めることになる。時間外労働の場合は、派遣元での36協定の内容等を把握することが必要となる。

<労働安全衛生法> 
「安全管理者・衛生管理者の選任等」「安全衛生教育」「健康診断」等
・「安全管理者・衛生管理者の選任等」
派遣先は派遣労働者を含めた常時使用する労働者の数に応じて、安全管理者、衛生管理者、産業医等を選任しなければならない。

・「危険又は健康障害防止措置」
機械等の作業開始前の確認や安全装置の設置、危険物については、爆発火災防止措置、強烈な騒音を発する場合における耳栓の支給等を講じること。

・「安全衛生教育」
雇入れ時の教育が派遣元で適切に実施されているか書面等で確認、作業内容を変更したときは派遣先が作業内容変更教育を実施しなければならない。また、派遣労働者を一定の危険又は有害な業務(小型ボイラーの取扱業務等)に従事させるときは、特別教育の受講の有無を確認し、未受講の場合は派遣先が教育、その結果を派遣元に書面等で報告する。「就業制限業務」(つり上げ5t以上のクレーン等)に派遣労働者を従事させる場合は、都道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者、厚生労働省令で定める資格を有する者であるか等を就労前に確認することが必要。

・「健康診断」
一般健康診断については派遣元が実施。有害業務にかかる健康診断(特殊健康診断)は、派遣先に実施義務があり、雇い入れ・配置換え・6か月以内ごとに1回定期的に実施し、健康診断の結果・有害業務の作業の記録を作成・保存するとともに派遣元に提出しなければならない。

・「労働災害への対応」
労働災害が起こった場合は、被災者の救出を行うと共に、派遣元へ連絡を行う。また、労働者の死傷病報告を遅滞なく派遣先管轄の労働基準監督署長に提出し、その写しを派遣元に送付しなければならない。(派遣元は送付された写しの内容を踏まえ派遣元管轄の労働基準監督署に労働者死病報告を提出する)(派遣先が実施すべき事項4章)

<じん肺法>
粉じん作業がある場合は「じん肺の予防に関する適切な措置を講ずる責務」「じん肺健康診断の実施」「法令の周知」等
・「じん肺健康診断」は、じん肺検診の管理区分に応じて1~3年以内ごとに派遣先が実施する。派遣労働者が粉じん派遣が終了した後・粉じん作業以外の作業に常時従事しているときは派遣元がおこなわなければなりません。

<作業環境測定法>
製造業に属する派遣先は土石・金属等の粉じんを著しく発散する一定の屋内作業場、暑熱・寒冷・多湿の屋内作業場等においては、厚生労働大臣の定める基準に従って作業環境の測定を行わなければならない。また、作業場によっては、作業環境測定士又は、作業環境測定機構に委託して実施しなければならない。派遣先は、作業環境測定結果の評価に基づき、必要があるときは施設又は設備の整備・設置、その他適切な措置を講じなければならない。(測定結果は記録し、原則3年間保存しておく義務があります)

<男女雇用機会均等法、育児・介護休業法>
「妊娠・出産等を理由とする不利益扱いの禁止」「セクハラ・マタハラの対応措置」「妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置」等
・「妊娠・出産等を理由とする不利益扱いの禁止」妊娠・出産したことによる軽易な業務への転換、育児時間の請求等を理由に、派遣労働の交替や解雇等の扱いが禁止されています。
・「セクハラ・マタハラの対応措置」
妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント対策として、
①ハラスメントになりえること・内容、妊娠等の制度が利用できる旨を周知・啓発すること 
②相談に応じ、適切に対応するために相談窓口の設置 
③職場における妊娠等に関するハラスメントにかかる事後の迅速かつ適切な対応(事実関係の確認、再発防止に向けた措置)
④原因解消のために業務体制の整備等の措置 
⑤①から④の措置と併せて、プライバシーの保護、相談した等を理由として不利益扱いしてはならない旨を定め周知すること
を防止措置として講じることが義務となっています。

当事務所代表は派遣「先」責任者講習の講師の経験がございます。又、派遣「元」責任者の講師を5年以上担当しています。お気軽にご相談ください。

この記事を書いたプロ

鈴木圭史

労務相談の専門家

鈴木圭史(ドラフト労務管理事務所)

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