平成29年1月 雇用保険法の改正
女性の活躍を阻んでいるとして、所得税の配偶者控除の廃止が検討されています。妻の年収が一定基準を超えると夫が配偶者控除を受けられなくなるため、基準内に収めるよう就業調整する女性が多いからです。
同様に、企業が任意で支給している「配偶者手当」も、配偶者の収入基準を設けていることが多いため、女性の就業調整につながると指摘されています。
厚生労働省ではこの件について検討会を設置し、配偶者手当については「配偶者の働き方に中立的な制度となるよう見直しを進めるべき」と報告書をまとめました。企業事例を見ると、配偶者手当を廃止して子育て中。介護中の社員への手当を充実させた例や、基本給に再配分した例などがありました。
ただし、配偶者手当の廃止は不利益変更となるため一方的に制度変更をおこなうのは問題です。報告書では見直しの留意点として①労働者のニーズ把握、②労使の丁寧な話し合い、③賃金原資総額の維持、④経過措置を設ける、⑤新制度の丁寧な説明などをあげています。
参考:配偶者手当のあり方に関する検討会報告書