遺産分割がまとまらない!そのとき取れる3つの解決策
「実家を兄弟3人で相続したけれど、名義はとりあえず全員の共有にした」——大阪市内でもよくお聞きするお話です。分けにくい不動産を、ひとまず均等の持分で共有名義にしておく。一見平等で丸くおさまるように見えますが、実はここから将来のトラブルの火種が生まれます。今回は、共有名義の落とし穴と、こじれる前にできる解消法をお伝えします。
①共有名義は「全員一致」がつきまとう
共有名義の不動産は、売却やリノベーションといった処分・変更行為に、原則として共有者全員の同意が必要です(民法251条)。3人のうち1人でも「売りたくない」「今は動きたくない」と言えば、話は前に進みません。さらに厄介なのが次の相続です。共有者の1人が亡くなると、その持分がその配偶者や子へと引き継がれ、当初3人だった共有者が5人、6人と雪だるま式に増えていきます。世代が下るほど面識のない親族同士で意思決定を迫られ、まとまるものもまとまらなくなります。
②固定資産税や管理の負担で揉める
共有名義でも、固定資産税の納税通知書は代表者1人にまとめて届きます。立て替えた人が他の共有者から持分に応じた負担を回収できず、「なぜ自分だけ払うのか」と不公平感が募るケースは少なくありません。空き家のまま放置すれば、草木の管理や近隣クレーム、老朽化への対応も宙に浮きます。誰も住まず、誰も決められず、税金だけがかかり続ける——これが共有名義の実家で最も多い膠着状態です。
③こじれる前の3つの解消法
解消の方向性は大きく3つあります。1つ目は換価分割。売却して現金を持分どおりに分ける方法で、公平でいちばんスムーズです。2つ目は持分の集約。特定の1人が他の共有者の持分を買い取り、単独名義にする方法です。3つ目は代償分割。1人が不動産を取得し、他の相続人へ相応の金銭を支払う形です。いずれも、まだ全員が話し合えるうちに動くことが肝心です。どうしても協議がまとまらない場合は、共有物分割請求訴訟(民法258条)という最終手段もありますが、時間も費用もかかり、関係にしこりも残ります。
最後に
共有名義は「決断の先送り」であって「解決」ではありません。持分を分け合った時点では平等でも、時間が経つほど関係者が増え、選択肢は狭まっていきます。相続した実家が共有名義のままになっている方は、揉める前の今のうちに、税理士や司法書士とも連携しながら方向性を整理しておくことをおすすめします。当社でも、売る・残すの判断からお手伝いしています。まずはお気軽にご相談ください。


