更新料、実は払わなくていいケースがある?法律の真実

重村裕一

重村裕一

テーマ:不動産賃貸

賃貸マンションやアパートに住んでいると、2年ごとに「更新料」の請求書が届くことがあります。「払うのが当たり前」と思って素直に払っている方も多いのですが、実はこの更新料、法律的には非常にグレーな位置づけにあります。

今回は、現場で多く受けるご相談のひとつ、「更新料は本当に払わないといけないの?」というテーマを、法律的な根拠も含めてしっかりお伝えします。


①更新料に法的根拠はない──義務ではなく「契約上の取り決め」

まず知っておいていただきたいのは、更新料は法律で定められた義務ではないということです。

宅建業法や借地借家法には、「更新料を支払わなければならない」という規定は一切ありません。つまり、更新料の支払い義務があるかどうかは、あくまでも賃貸借契約書の中にその旨が明記されているかどうかによります。

「契約書に書いてある=支払い義務がある」という構造で、法律が定めたものではなく、当事者間の合意に基づくものです。

なお、2011年に最高裁判所が「更新料条項は消費者契約法10条には違反しない(一定の要件を満たす場合)」という判断を示しており、契約書に明記された更新料は有効とされています。


②大阪では「更新料なし」の物件も多い

実は、更新料の慣習は全国一律ではありません。

首都圏(特に東京)では賃料の1〜2ヶ月分の更新料が一般的ですが、大阪をはじめとする関西圏では、更新料がかからない物件のほうが多いのが実情です。

私が大阪で日々対応している現場の感覚でも、「更新料あり」の契約は全体の2〜3割程度というイメージです。関西では更新事務手数料として1〜2万円程度が発生するケースはありますが、1ヶ月分の家賃をまるまる請求されるケースは比較的少ないです。

「引越し先で急に更新料が発生した」と驚かれる方の多くは、首都圏から移ってきた方や、逆に大阪から首都圏へ転居された方です。エリアや物件によって慣習が大きく異なることを知っておくだけで、契約前の確認ポイントが増えます。


③更新料を払わずに済む、または減額できるケース

①で述べたように更新料は契約書の記載が前提なので、「契約書に記載がなければ支払い義務はない」というのが原則です。

更新料を請求されても断れる・または交渉できるパターンとして、以下が考えられます。

【契約書に更新料の記載がない場合】
支払い義務は原則なし。貸主から請求があっても、「契約書に記載がないため」と伝えることができます。

【法定更新(自動更新)になった場合】
賃貸借契約が期間満了後に更新手続きなしで続いている状態(法定更新)になると、更新料が発生しない可能性があります。ただし、これも契約書の記載内容によって異なります。

【家賃相場が下がっているタイミング】
更新は契約条件を見直す機会でもあります。周辺相場が下がっている場合は、更新料の減額とあわせて家賃交渉を行う余地があります。


まとめ:「なんとなく払う」前に必ず契約書を確認しよう

更新料は「契約書に書いてあれば有効」「法律で定められた義務ではない」という2点が大前提です。

請求書が届いたときに払わなければいけないと思い込んで確認もせずに支払う前に、まず契約書の該当箇所を読み直してみてください。記載があれば支払い義務がありますが、記載内容が曖昧だったり、法定更新状態になっていたりするケースでは、専門家に相談する価値があります。

「もしかしたら?」と思ったら、気軽にご相談ください。正確な判断のお手伝いをいたします。

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

重村裕一プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

重村裕一
専門家

重村裕一(宅地建物取引士)

株式会社クレアクロス

大阪で相続不動産の売却・活用に悩むならご相談ください。IT企業出身の異色キャリアを持ち「不動産で損する人をなくしたい」という信念のもと、相続・売買・賃貸・投資まで不動産全般を一貫サポートします。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

信用と信頼を第一に、顧客に寄り添う不動産の専門家

重村裕一プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼