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宮本裕文

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宮本裕文(みやもとひろふみ) / 宅地建物取引業者

有限会社富商不動産販売

コラム

売買契約 危険負担と負担の消除

2017年12月1日 公開 / 2021年3月2日更新

テーマ:コンサルティング

コラムカテゴリ:住宅・建物

危険負担と負担の消除


●危険負担とは、売買契約において、お互いの債権債務が発生した後に、売主に責任がない原因により引渡しが不可能になった場合に、買主の代金支払義務がどうなるのかという問題です。

例えば、土地建物の売買契約が成立した後、巨大地震により建物が倒壊して、売主の引渡し義務を履行することが不可能になってしまった場合に、買主は、代金を支払わなければならないのかという問題です。

そして、この解決方法としては、債務者主義と債権者主義の両方が可能となります。


●債務者主義とは、相手方の債務も消滅させる方法

売買契約の後、地震で建物が倒壊した場合、債務者主義によれば売主の引渡し債務が不能になったことにより相手方(買主)の代金支払い義務も消滅します。つまり、債務者主義とは、不能によって消滅した債務の債務者(売主)に不能の結果(危険)を甘受(負担)させる処理方法となります。

●債権者主義とは、相手方の債務は消滅させない方法

債権者主義によれば、買主の代金支払い義務は消滅しません。買主は建物が壊れてしまっても代金を支払わなければなりません。債権者主義は、不能によって消滅した債務の債権者(買主)に不能の結果(危険)を甘受(負担)させる処理方法となります。

●不動産売買契約における危険負担の処理方法は

民法では、売買については原則として債権者主義をとっています。債権者主義の場合、地震で建物が倒壊してなくなってしまった場合でも、買主は代金を支払わなければなりません。

しかし、不動産取引においては引渡し前に売買物件が滅失した場合には、買主の代金支払い義務はなくなるとする扱い(債務者主義)の方が一般的となります。
よって、売買契約書の危険負担の条項には債務者主義を明示しています。


●負担の消除とは

第○○条 売主は、本物件の所有権移転の時期までに、抵当権等の担保権及び賃借権等の用益権、その他買主の完全な所有権の行使を阻害する一切の負担を消除する。

●売買対象となっている宅地建物に銀行等の抵当権が付いていたり、あるいは賃貸中の建物を売却するというように、売買対象の宅地建物に他の人が抵当権や賃借権等など、権利を有していることはよくあることです。

本条は、売主は、所有権移転の時期までに上記のような負担を亡くした上で、引き渡さなければならないとしたものです。

例えば、売買物件に銀行の抵当権が付いていたなら、この条項により、売主は所有権移転時期(代金支払い時)までに抵当権抹消登記をしなければなりません。

また、もし売買契約時に賃借人等の占有者がいれば、売主は所有権移転時期(代金支払い時)までに賃貸借契約を終了させて、その賃借人に明渡しも完了させ、占有者のない状態で買主に物件を引き渡さなければなりません。

これに対し、収益物件のように、買主が賃借権を引き受けることを前提に売買契約をすることも可能です。その場合は、上記の条項を修正するか、特約にて明記する必要があります。

●通常、抵当権は所有権移転時に同時消除(抹消)します。



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