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「子どもの姿勢が悪い」となぜ悪い? ③動けないからだづくり

福本智恵子

福本智恵子

テーマ:小学生

「子どもの姿勢が悪い」となぜ悪い? ①「楽だから」の基準
「子どもの姿勢が悪い」となぜ悪い? ② 大人の都合・・からの続きになります。


生活環境を見直すこと、それは、便利だからと安易に取り込んでいることが
大人自身の健康にどのような影響を及ぼしているのかを考えることになります。
また、生まれた時からその環境で育つ子どもにとってはどうでしょうか。
少し考えただけでも、数年、数十年前との生活環境の違いがいくつも挙がってきますね。


身体活動、つまり日常で動くこと、歩くことについて考えてみましょう。
最近の子どもは動かなくなったといわれます。
それは外で遊ぶことが少なくなったから。

放課後に友達と学校に残って、下校の音楽や放送が流れるまで遊んでから帰る。
家に帰ってから、すぐに近所の友達と夕方暗くなるまで外で遊ぶ。
かつてはそんな風景があちこちで見られましたが、今ではほとんど見ることがありません。

友達との遊びはゲーム機を持って集まり、外で遊ぶとしても地べたに座り込んで、
からだは動かず、指先のみ動くような遊び方。

かつての鬼ごっこ、かくれんぼ、缶けり、木登り、塀歩きなどのように、
自らのからだを自由自在に操る遊びはどこに行ったのでしょう。
靴を飛ばしてケンケンで取りに行ったり、地面に線を引いて道や島を描いて、
互いに押したり引っ張ったりしながら、残った人数を比べたり。

子ども同士で遊びを決め、顔ぶれによってルールを変えたり、今までの遊びを発展させて
新たな遊びを作ったりして、創造力やチーム力なども育んでいました。

また、動くことで、力加減や方向、曲げ具合や伸ばし具合、物や相手との距離など、
からだの使い方や感覚が自然に身についてきました。
これらは指先だけを使った遊びでは身につきません。


からだの感覚というのは、誰かに教えてもらうのではありません。
自分のからだを動かして、経験して、それらを脳とやり取りをしながら身につけるのです。
偏ったからだの使い方では、いくら動いたとしても使い過ぎ、あるいは使わなさすぎで
バランスがよい使い方とは言えないかもしれませんね。

姿勢というのは、今までのからだの使い方が表れています。
猫背で動いていれば、見た目も猫背。
何かするたびに反り返って動いていれば、すぐに反り返る。

間違った情報を正しいと認識しているわけですから、
結果も間違ってしまいます。
姿勢やケガなど目に見えるものから、こころの不調など目に見えないものまで。

全身の関節をしっかり動かし、あらゆる筋肉をまんべんなく使って、
たくさんの人と関わりながら遊べる環境を、大人が用意する必要があるのです。


今のまま、何も変えなければ、子どもの未来はどうなるでしょう。
動きにくいからだ、未熟な感覚で成長していく子どもたち。
現状で起こっていることが、さらに違う形で表れ、
悪化・重症化・慢性化するでしょう。

どこかで食い止めたいですね。
そのためにあなたは何をしますか。

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福本智恵子
専門家

福本智恵子

Cosmos(コスモス)

「良い姿勢」とは「まっすぐ立つ」こと。それはヒトが生まれたときに遡る。約1年間をかけた発育発達過程を、赤ちゃんから大人まですべての人が学習・実践でき、「良い姿勢」と「効率の良い動き」が作れます

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