議事録をAIで作るとき、人が確かめること|中小企業の会議の文字起こしと要約
仮に、取引先から「納期を1週間早めてもらえないか」というメールが届いたとします。AIに「返信を書いて」とだけ頼むと、ていねいな文が返ってきます。ただ、読み返してみると「前向きに検討いたします」と、受けるのか断るのか分からない文になっていた、ということもあり得ます。AIは、こちらの答えを知らないからです。
結論から書きます。メールの返信をAIで下書きするときは、頼む前に、次の3つを書いて渡すことをお勧めします。
- こちらの答え(受ける・断る・条件をつけて受ける)
- 相手との間柄と、届いたメールの要点
- 必ず入れること(日付・金額・次にしてほしいこと)
答えを決めるのは書く人で、AIにはその答えを伝わる文に整えてもらいます。
1. 先に「こちらの答え」を1行で決める
以前のコラム「AIで何ができる?例を3つ|パソコンが苦手でも、スマホで今日から試せる頼み方」では、言いにくい連絡の文を、ていねいに、短く、と頼んで下書きしてもらう例を紹介しました。仕事の返信では、もう一歩進めて、答えを先に渡します。
返信でいちばん大事なのは、言い回しではなく答えです。受けるのか、断るのか、条件をつけて受けるのか。ここをAIに任せると、どちらとも取れる文が返ってくることがあります。頼むときは「1週間は難しい。4日なら早められる、と返したい」のように、答えを先に書きます。言いにくい答えほど、先に書いておけば、言い方のほうをAIに考えてもらえます。
2. 相手との間柄と、届いたメールの要点を渡す
同じ答えでも、初めての相手と、長く付き合いのある相手とでは、書き方が変わります。「長い付き合いの取引先。いつもは少しくだけた言い方」と1行足すだけで、返ってくる文の硬さが変わります。
届いたメールの要点も渡します。そのまま貼りつけると、相手の名前や会社名、署名の電話番号まで入ります。以前のコラム「AIに個人情報を入れていいか迷ったら|名前を「Aさん」に置き換えてから頼む」では、迷ったら名前を「Aさん」に置き換えてから頼む、と書きました。文面を考えてもらうのに、本物の名前や電話番号は要らないからです。ただし、会社に決まりがあるなら、そちらが先です。返信の下書きでも同じで、相手の名前は「Aさん」、会社名は「X社」にし、署名は消してから渡します。
3. 必ず入れることを、箇条書きで渡す
日付、金額、次に相手にしてほしいこと。こうした中身は、AIが文を整えるうちに抜けたり、言い回しに埋もれたりすることがあります。「必ず入れること:30日に出荷/追加の費用はなし/27日までにお返事がほしい」のように、箇条書きで渡しておきます。
返ってきた下書きは、この箇条書きと突き合わせます。全部入っているか、数字が変わっていないか。まず見るのは、そこです。そのうえで、送る前に、手元で「Aさん」「X社」を本物の名前に戻します。
頼み方をひな形にして、メモに置いておく
3つを毎回考えるのは手間に見えます。そこで、頼み方をひな形にして、パソコンやスマホのメモに置いておきます。
次のメールへの返信を下書きして。
こちらの答え:
相手との間柄:
届いたメールの要点:
必ず入れること:
空いているところを埋めて頼むだけです。社内で使うなら、共有のフォルダに1つ置いておけば、誰が頼んでも、下書きの形がそろいます。
ただし、「承知しました」で済む短い返事まで、AIに頼む必要はありません。
まとめ
- 先に「こちらの答え」を1行で決めてから頼む
- 相手との間柄と、届いたメールの要点を渡す。名前は「Aさん」に置き換え、送る前に戻す
- 日付や金額など必ず入れることは箇条書きで渡し、下書きと突き合わせる
宮崎の会社の毎日のメールでも、答えを決めるのは書く人です。AIには、その答えを伝わる文にしてもらいます。


