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議事録をAIで作るとき、人が確かめること|中小企業の会議の文字起こしと要約

淵之上政俊

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テーマ:仕事ごとのAIの使い方

会議が終わってから、議事録が仕上がるまでに丸一日かかることもある。録音を聞き直し、手元のメモと突き合わせ、誰が何を言ったかを思い出しながら文章にする。その間、書く担当の人のほかの仕事は止まっています。小さな会社では、その担当が社長自身ということもあります。

議事録のたたき台は、オンライン会議の文字起こしとAIの要約に任せられます。 新しい道具を買わなくても、いま使っている会議の道具に、その機能が付いていることがあります。ただし、録る前に参加者の了承を取ること、名前と数字を確かめること、決まったことと話に出ただけのことを分けること。これらは人の仕事として残ります。

先に、その議事録を誰が読んでいるかを確かめる

AIで速く作る前に、一度だけ確かめておきたいことがあります。その議事録を、誰が、何のために読んでいるかです。

以前のコラム「業務の棚卸しのやり方」で、仕事を「やめる・変える・道具を入れる」の3つに分ける話を書きました。議事録も、その仕分けにかけてみます。会話の全文を残さなくても、「決まったこと」と「次に誰が何をするか」の数行で足りる会議もあります。その場合は、AIに長い要約を作らせるより、書く中身を減らすほうが先です。読まれていない議事録を速く作れるようになっても、手間が減ったことにはなりません。

道具は、いま使っている会議の機能から見る

公開されている事例を1つ紹介します。広島市に本社を置く住宅会社が、Googleのビデオ会議「Google Meet」の文字起こし機能(会話をそのまま文字にする機能)と、Googleの生成AI「Gemini」の要約を組み合わせて、議事録を作るようにしました。導入を支援したIT企業の発表文では、「従来半日から1日半を要していた会議の議事録作成が瞬時に完了するようになり」とされています。発表したのは導入を支援した側で、導入後の時間は数字ではなく「瞬時」と書かれています。費用や社員数は書かれていません。
出典:PR TIMES(2026年7月21日の発表文)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000158.000069271.html

ここで見てほしいのは、専用の新しい道具ではなく、すでに使っている会議の道具の機能を組み合わせている点です。Google Meetの文字起こしは日本語にも対応していますが、使えるのはGoogle Workspace(仕事向けの有料契約)の一部のプランで、使える端末もパソコンとAndroidに限られます。自社の契約で使えるかどうかを、先に確かめておきます。
出典:Google Meet ヘルプ「Google Meet で文字起こしを使用する」https://support.google.com/meet/answer/12849897?hl=ja

録る前に、参加者の了承を取る

Google Meetでは、文字起こしを始めると、参加者全員の画面に文字起こし中の印が出ます。ただ、印が出ることと、了承を得ていることは別です。

会議の冒頭で「今日は文字起こしをして、議事録づくりに使います」と一言伝えます。社外の方が入る会議なら、なおさらです。話した内容は文字として残り、主催者のGoogleドライブに保存されます。誰に共有するかも、配る前に決めておきます。残ると分かっていたら話しにくい話題もあるはずです。了承が得られない会議や、記録に残すべきでない話をする会議では、録らないという判断をします。

要約は下書き。「決まったこと」は会議に出た人が確かめる

AIの要約は、よくできた下書きです。それでも、聞き違いや取り違えは起こり得ます。見落としやすいのは、検討の途中で出た案が、要約では決まったことのように書かれる場合です。仮に、会議で「来月から試してみてもいいかもしれない」と話に出ただけなのに、要約に「来月から開始」と書かれたとします。そのまま配れば、まだ決めていないことが会社の記録になります。

見直すときは、次の3点に絞れば、全文を読み返すより短く済ませられます。

  • 「決まったこと」と「話に出ただけのこと」が混ざっていないか
  • 人の名前と会社名が合っているか
  • 日付・金額・数量が合っているか

とくに1つ目は、会議の流れを知っている人でないと見分けられません。会議に出ていた人が確かめてから配る。この順番は崩しません。

まとめ

  • 議事録を誰が読むかを先に確かめ、書く中身を減らせないかを見る
  • 文字起こしは、録る前に参加者の了承を取る。了承がなければ録らない
  • 要約の「決まったこと」は、会議に出た人が、話に出ただけのことと分けてから配る


宮崎の会社でも、会議のあとの議事録はついて回る仕事です。道具を探す前に、いま使っている会議の道具の設定を開いてみるところから始められます。

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専門家

淵之上政俊(AI・ITコンサルタント)

MAIFYラボ

AI・ITの導入を前提とせず、業務の流れを整理するところから始める業務改善コンサルティングを提供。SE歴25年超の経験を生かし、ツールの選定から導入、必要に応じた開発、定着まで一貫して支援します。

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