Mybestpro Members

淵之上政俊プロはテレビ宮崎が厳正なる審査をした登録専門家です

求人票をAIで作るなら|会社が書き足す、仕事の中身と本当の条件

淵之上政俊

淵之上政俊

テーマ:仕事ごとのAIの使い方

仮に、事務の人を募集するために、求人票の「仕事内容」の欄の文をAIに頼んだとします。返ってきたのは、「やりがいのある仕事です」「アットホームな職場です」「未経験でも安心して始められます」といった文でした。読みやすい文ですが、どの会社の求人にもそのまま使えそうです。

AIは、その会社の仕事を見たことがありません。材料を渡さずに頼めば、どこにでもありそうな文が返ってくるのは自然なことです。

結論から書きます。求人票の文はAIに下書きしてもらってかまいませんが、仕事の中身は会社が書き出し、給与や休日などの条件は会社が自分で書き入れます。AIに任せるのは、会社が書いた材料を、読みやすい文に並べ直すところまでです。

1. 先に、会社しか知らないことを書き出す

AIに頼む前に、応募する人が知りたいのに、会社の外からは分からないことを書き出します。たとえば、1日の仕事の流れ、最初の1か月で覚えること、一緒に働く人の数、この仕事の大変なところです。

大変なところも書いておきます。「月末の3日間は電話が多い」のように書いてあれば、応募する人は、入ってからの様子を思い浮かべられます。

書き出したものは、共有のフォルダのファイルに残しておきます。次に同じ仕事で人を募集するときも、そこから始められます。

書き出しているうちに、AIやITに任せられる仕事が混ざっていると気づくこともあります。人を増やす前に、やめられる仕事を先に外し、任せられる仕事は任せて、人の時間を空けておきます。詳しくは以前のコラム「人手不足の会社が、AIやITに任せられる仕事の見つけ方|人を増やす前にできること」に書きました。

2. AIには、材料を渡して並べてもらう

書き出した材料をAIに渡し、たとえば「次のメモをもとに、求人票の仕事内容の欄の文を書いてください。メモにないことは書かないでください」と頼みます。

「メモにないことは書かないでください」の一言は、AIが文を飾るために言葉を足さないように入れておきます。それでも足されることはあるので、返ってきた文は、そのまま使わずに見直します。

社員の名前や、いまの社員の給料など、外に出さない情報は材料に入れません。

3. AIが足した言葉は、本当かどうかで消す

返ってきた文を、材料のメモと並べて読みます。メモにない言葉があったら、本当かどうかを確かめます。「残業はほとんどありません」と書かれていても、実際に残業が多い月があるなら消します。

求人の文で、事実と違うことや誤解させることを書くのは、職業安定法で禁じられています。自社のホームページやSNSで募集するときも同じです。そうした募集では、会社の名前・住所・連絡先・仕事の内容・働く場所・賃金を必ず書くよう、厚生労働省は求めています。
出典:厚生労働省「職業安定法に基づく周知|労働者の募集広告の表示について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1_00006.html

年齢を理由に応募できる人を限ることも、労働施策総合推進法で禁じられています(決められた例外を除く)。AIの文に「○歳まで」のような年齢の条件が入っていたら、消します。求人票から消しても、書類選考や面接で年齢を理由に断れば、同じく法律に反します。
出典:厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/topics/tp070831-1.html

4. 給与や休日の欄は、会社が自分で書き入れる

給与、勤務時間、休日、働く場所のような条件の欄は、AIの文から写しません。今回の募集で会社が決めた数字を、就業規則などの社内の決まりと食い違いがないか見ながら、会社がそのまま書き入れます。

AIは、もっともらしい数字を書くことがあります。条件の欄に1つでも違う数字があると、面接や入社のあとで、話が違うと言われるもとになります。

求人票を出す前に、仕事内容の欄の文に数字が入っていたら、条件の欄の数字と同じかも確かめます。

まとめ

  • AIに頼む前に、仕事の流れや大変なところなど、会社しか知らないことを書き出す
  • AIには材料を渡し、メモにないことは書かないように頼む
  • AIが足した言葉は本当かどうかで消し、条件の欄は会社が決めた数字を書き入れる


AIで作った求人票が、どこの会社のものか分からない文になっていたら、足りないのは、会社しか知らない材料です。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

淵之上政俊
専門家

淵之上政俊(AI・ITコンサルタント)

MAIFYラボ

AI・ITの導入を前提とせず、業務の流れを整理するところから始める業務改善コンサルティングを提供。SE歴25年超の経験を生かし、ツールの選定から導入、必要に応じた開発、定着まで一貫して支援します。

淵之上政俊プロはテレビ宮崎が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

業務整理から伴走するAI・IT活用のプロ

淵之上政俊プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼