新築ブルー対策は未完成を作る

小橋広市

小橋広市

テーマ:住環境習慣コンディショニング

昨日、人間は完全なものより、不完全なものに対して興味を持つ傾向があって、これをザイガルニック効果(ツァイガルニク効果)と呼び、「未完成」「途中」「欠けている」「隠れている」の場面と事例をいくつかお伝えしました。


新築ブルー


今回は、「ザイガルニック効果」に繋がる、新築。リフォームで建物が完成しても入居したくない「新築ブルー」という心理状態になるのは何が原因か。そして新築ブルーにならないためにはどうしたら良いのかをお伝えします。

新築ブルーとは、念願のマイホームを手に入れたのに「イメージと違う」「支払いの現実を考えると後悔する」など、新しい家が原因の軽いうつのような症状のことです。

この症状の原因は、建物が完成するまで気付かなかったマイナス要因を発見することで、不満や先の不安が膨らみ始め、更に計画段階では何も分からず、今さら愚痴や不満を吐き出せない現実と理想とのギャップが強い後悔の念を生みます。

新築ブルーの原因の中で、物理的なマイナス要因は「住環境習慣コンディショニング」というコーチングを行うことでほぼ解決しますが、ローンの現実などの心理的要因は、違うところに原因があります。

それが今回、お伝えする「完成されたものより、未完成なものが出来上がる過程に対して、人は楽しみを覚える傾向がある」というザイガルニック効果です。この心理効果は、いくら物理的要因が解決しても、潜在意識から湧く心理です。

建物が完成するまでは充実して楽しいので、目の前のことしか観えません。そして建物が完成したその時点で目的が達成されます。達成感を得ることで現実に引き戻され、さらに住宅ローンの金額を実感すると先の不安に襲われます。

しかし、例え、住宅ローンの現実があったとしても、それは住宅ローンより家族のやすらぎや居心地が良いマイホームと引き換えに出した結論です。より居心地良くできるようにリフレーミングする方が発展的です。

イエツムリ

新たな目的


このような「ザイガルニック効果」をリフレーミングするには、次のような新たな目的を持つことです。

住みやすさを工夫する楽しみを見出す

例えば、計画時に「家事室」「書斎」「子供部屋」などは間取りのみ確保し、インテリアは、建物の完成後に休日を使って家族でDIY(日曜大工)をするとか、外構(庭、アプローチ)にガーデニングをしたりして次の楽しみを作ることです。

新築・リフォームも未完成な部分を残し、次の課題することでコストが下がり、新しい家族の趣味を増やすことができる上に家族の絆も深まります。



参考になれば幸いです。



下記に参考になる記事のリンクを貼っておきます。

「人80%モノ20%」
人が住むのかモノを置く家かどどっち?

「遠慮と思い込みが○○を招く」
遠慮と思い込みは入居後に後悔する



【小さな実践】
新築完成後、家族で楽しめる新たな目的を考えてみる


 

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小橋広市(講師)

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