親は子どものプラカードを見逃してはいけない
最近、電車に乗ることが多くなり、暇だから人間ウォッチングをしています。そこであることに注目してみました。それは乗客同士の距離です。
他人との距離感
検証できるのは乗客がパラパラと座っている時。端が空いている時は、後から乗った乗客はたいてい端を選びます。では端に座れない時にどこに座るかを観察してみました。
私だったら、すでに座っている人の隣に座らず1人分空けて座ります。他が満席で男性と女性の間が1.5人分くらい空いていてその間に座るとしたら、私は女性に近くに座ります。
何故かというと、男性は股を広げて両肘を張りぎみに座っているのでくっついて座るとお互いにストレスになります。
とはいえ、女性は知らない男性と距離が近いと嫌でしょうし、なるべく間を空けて座わるようにしています。満席で立つ時は、乗車口の近くで窓を見るように立ってなるべく他者と目が合わないようにしています。
パーソナルスペース
ということで、今日はパーソナルスペースの話。
誰でもパーソナルスペースがあります。パーソナルスペースかどうか分かりませんが動物だってあります。特にニャンコは自分のテリトリーをしっかり守る動物です。
パーソナルスペースとは、他人に近づかれると不快に感じる距離のことで、心理的なテリトリーです。男性のパーソナルスペースは、前方が広く後ろが狭い楕円形で、女性は円形のようです。
男性は女性のパーソナルスペースに入ろうとしませんが、女性は男性のパーソナルスペースに普通に入ってきます。女性のパーソナルスペースに男性から入ると女性は不快感を感じるのに面白いですね(笑)
互いの距離関係
ではパーソナルスペースは具体的にはどのくらいの距離かというと、アメリカの文化人類学者のエドワード・ホール氏は、パーソナルスペースには大きく分けて「4つのゾーン」があると説いています。
・密接距離 45センチ以下は、恋人や家族以外は絶対に他人を入れたくない
・個体距離 45~120センチ、日常的な会話をする距離。会話がない時には理由が必要
・社会距離 1.2~3.5m 会話をしなくても良いが、会話がないと居心地が悪くなる微妙な距離
・公衆距離 3.5m以上 講演や公式での対面
この距離感は、見ず知らずの他人を前提とした距離で、互いに信頼性が高まると距離はグーンと近づきます。ただ、個々でパーソナルスペースは広かったり狭かったり、相手によって距離感を使い分けています。
親子の距離
パーソナルスペースは、家族でもあります。例えば、幼い子どものパーソナルスペースは狭いので親との距離感は近いが、子どもの成長と共に、親と距離を取るようになります。
子どもにとっては健全な成長ですが、それを寂しく感じる親も多く、寂しさをこらえきれず近づき過ぎてしまうと、子どものパーソナルスペースを侵してしまいます。子どもにしてみればそれを不快と感じます。特に男の子はね。
私の場合は、中学生になるとお袋と同じ部屋にいるのも嫌になり、あえて避けていました。反面、親のことを不快に感じる自分を責めたこともあります。同じようなことは夫婦間でも起こります。
家族だからといって相手のパーソナルスペースをないがしろにしていると、相手のフラストレーションはピークになり、もっていくところがなければ怒りに変わったり、顔を合わせたくないので部屋にこもるようになります。
毎日一緒にいる家族だからこそ、それぞれのパーソナルスペースに気を配っていく必要があります。一方で、家族の問題は人間関係だけではなく、大きく影響を及ぼしているのは住環境です。
本当はそれぞれの家族によって住環境が違うはずなのに、昨今のライフスタイルを基にした右へ倣えの住環境によって、家族のコミュニケーションが崩壊していると言っても過言ではありません。
この話をすると長くなるので続きはこちらでお伝えしますね。
【小さな実践】
子どもと親のパーソナルスペースを意識してみる