市販のインソールが足に合わないという訴え

時々、「市販のインソールが足に合わないので調べて欲しい」というような相談をお受けする事があります。
最近は通販でもインソールが手軽に購入できるようですが、それはそれで手軽さという点では意味のある事ではあります。
しかし、手軽さばかりを追い求めると、結果的に質や期待した効果の面で失敗する事もあるでしょう。
でもそこは、自己責任として納得してもらう他ないと思うのですが・・・。

先日ご来店された男性の場合、足が疲れやすいので、自己診断で扁平足のせいだと結論を出し、市販のインソールを購入して通勤用の革靴に入れて使っていたのだそうです。


使い始めた日の退勤時には膝の内側に痛みが出て、階段の上り下りに支障を感じるようになったそうですが、まだ慣れないせいだろうと思って、次の日もまた、そのまま使い続けたそうです。
ところが、その日の夕方には膝の強い痛みで立っているのも辛くなり、翌日が休日だったので、お住いの近くにある当相談室を訪れたという訳でした。

「足のカウンセリング」の結果、この方は確かに扁平足気味ではありましたが、その原因は足首が体の中心に向かって倒れ込む「足首の回内」によるものでした。
ところがもう一つ、この方は膝下が湾曲する膝下Ｏ脚でもあったのです。
市販のインソールを手持ちの通勤靴に入れて使ったため、土踏まずだけが支えられてしまったので、余計に膝下Ｏ脚が強くなり、結果的に膝の内側の軟骨に過度な負担が掛かってしまい、その結果、膝を痛めてしまったのです。

早速、「足のカウンセリング」の結果に基づき、簡単なサポートを施した健康靴のテストシューズを履いて歩いて頂きました。
「おおっ、体がシャンとなって足が軽くなったわ・・・。膝が痛くなくなったよ・・・。」と男性。
「土踏まずだけでなく、膝下Ｏ脚にも対応しましたし、靴とインソールとの相性も良いので快適でしょ？」と私。
「なるほど、やっぱり餅は餅屋だね。足のお医者さんみたいだね・・・。」と男性。
「ドラッグストアで買った市販薬で調子が良くならなければ、次に病院に行って医師に診て貰って薬を処方して貰うのと似ていますかね・・・。」と私。

確かに市販の頭痛薬や風邪薬で症状が改善されれば問題はありませんが、改善されずに酷くなったら病院に行きますよね・・・。
それにこの方の場合、お手持ちの通勤用の革靴にも問題がありました。
そしてもう一つ、靴の履き方にも大いに問題がありました。

足が痛い、靴が合わないと感じたら、まずその原因をしっかり調べたうえで対処をされた方が、早く結果が得られる場合があるという例でしょうか・・・。

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