足と靴の川柳
先日。当相談室で健康靴をお作りになったご婦人が3年ぶりにご来店されました。
「今日は近くに用があったから、ちょっと覗いてみようかなと思って来ただけなの・・・。」とご婦人。
足元を見ると、お作りした健康靴を履かれてはいませんでした。
「その後の足の調子はいかがですか?」とお尋ねすると、「お宅で作った靴を履いてから膝の調子が良くなって、すっかり歩けるようになったわ。」とご婦人。
「それは良かったです。でも、今日は履かれて来られなかったのですね。」と私。
「そうねえ、でも、インソールは入れて履いているわよ。」とご婦人。
「えっ?健康靴のインソールを入れて履かれているのですか?」と驚く私。
「そうよ、偉いでしょ。」とご婦人。
「ちょっと、見せて頂けませんか?」と私。
早速、履かれていた靴とインソールを拝見してビックリ仰天。
なんと、左の靴底のカカト部分の外減りが酷く、靴が小指側に大きく撓み、小指の付け根を覆うアッパー素材が切れかかっていました。
「うーん、これでは左の外側に負担が掛かり過ぎてしまいそうですね。腰痛とか左の足の付け根の外側の筋が痛くなるとか感じていませんか?」と尋ねる私。
「そう言えば最近、時々左足の付け根周辺が張って凝った感じがするし、重くなるわね・・・。」とご婦人。
「そうでしょ・・・。だって、靴が荷重に潰されてとんでもない事になってますよ・・・。」と私。
どうやら、市販の靴に健康靴のインソールを入れて履かれていたようで、それも市販の靴の中でも超軽量のビーチサンダルの様な素材の靴底の靴に入れて履いていたため、靴が荷重とインソールをしっかりと受け止める事が出来ずに変形してしまったようです。
「大変申し訳ないのですが、靴があまりにも荷重の圧力に弱いタイプのものだったので、インソールを安定して支えきれられなかったようです。そのために普通よりも早く型崩れしてしまったのですね。左足の足首が体の外側に倒れ易い状態を健康靴でサポートしていたのに、インソールだけを市販の靴に入れて履いたため、足首を支える事が出来ず、左足の靴の方が右足の靴よりも崩れ方が強くなってしまったんですね。それで左足の付け根周辺が張って凝った感じが するようになったんでしょう・・・」と説明する私。
「ええっ? そうなの・・・?」とご婦人。
「ぜひ、健康靴にインソールを戻して、健康靴を履くようにして下さいよ。そうすれば、また快適に歩けるはずですから・・・。」と私。
「やだーっ、来て良かったわ。それを知らずにいたら、また膝が痛くなってたかもね・・・。」とご婦人。
皆さんも、超軽量の靴には注意が必要と思って下さい。
軽量を重視するあまり、荷重が掛かった時に不安定になってしまえば、軽量な作りに足をすくわれてしまう事になりかねません。
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