コラム
ロコモーティブシンドローム(運動器症候群)
2016年5月13日
日本臨床整形外科学会によって、「人間は運動器に支えられて生きている。運動器の健康には、医学的評価と対策が重要であるということを日々意識してほしい」との提言と共に解説されているのがロコモーティブシンドローム(運動器症候群)です。
ロコモーティブシンドローム(運動器症候群) は1)運動器自体の疾患(筋骨格運動器系)と2)加齢による運動器機能不全とに大きく分けられているのですが、私はもう一つ、*生活習慣による運動器系機能低下があると考えています。
病気や怪我や加齢による運動器機能不全 (運動器症候群)だけでなく、日々の運動不足や歩き方や靴の選択や靴の履き方などの生活習慣が、運動器としての足や膝や姿勢に悪影響を与えて徐々に運動器系の機能低下に至る場合が見られるからです。
例えば、加齢どころか成長期である筈の中高生が、外反母趾や内反小趾、膝の痛みや巻き爪や足裏の痛みなどの足や膝の不調を訴えるケースが増えているのです。
その場合、病気や怪我や加齢が原因ではなく、運動不足や歩き方や靴や靴の履き方などが原因になって、運動器としての足が健全な発育や機能を果たせなくなっているのです。
けれども、生活習慣が原因によるロコモーティブシンドローム予備軍という見方はされません。
やはり、病気や怪我や加齢が原因によるロコモーティブシンドロームという捉え方が定着しているのではないでしょうか?
実は、10代の半ば頃から既にロコモーティブシンドローム予備軍ともいえる現象がジワジワと拡がっているような気がします。
そしてそれは、生活習慣の見直しをすれば予防改善が出来る筈にもかかわらず、残念ながらまだまだ関心が低い状況が続いているのです。
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