膝の痛みを助長する靴と外反母趾や扁平足を助長する靴
脳梗塞により、左半身に軽度の麻痺がある女性。
左足のつま先が垂れて路面にひっかかるので、今履いているスニーカーのつま先が底もアッパーも摩耗して穴が開いていました。
左足首は体の外側に倒れ込んでしまうこともあって、足首にサポーターを装着しています。
当相談室にご来店頂く方の多くが、軽くて柔らかい靴を履いて来られるのですが、軽度の麻痺がある方や高齢の方になればなるほど、軽くて脱ぎ履きのし易い柔らかな靴底の靴を選んでいらっしゃいます。
足は建物に例えれば、基礎柱に相当します。
柔らかな地面に柱を建てて家を作る事がないように、本来、足を支える靴には安定性のある堅牢な作りが求められる筈なのですが、実際には軽さや柔らかさや脱いだり履いたりの手軽さが求められています。
その原因は、歩行運動の際の安定性を確保して、体を支えて動かす運動器としての関節や骨格や筋肉の負担を軽減し、バランスの良い負荷にするという視点が欠けているせいだと思います。
さて、左足に軽度の麻痺が残るこのご婦人にとって、今までのご自身の靴の選び方とは正反対のようなアンクルブーツの健康靴をお勧めしました。
手で持つと今履いているスニーカーと比べて明らかに重く、靴底やカカト周りから土踏まずにかけてを支える芯が入っていることもあり、かなり堅牢に作られています。2本の折り返しのマジックベルトが足と足首をしっかりと保護し安定させます。
「足のカウンセリング」の結果に基づき、左足首が外側に倒れ込まないようにするパーツや土踏まずをサポートするパーツ等を組み込んだテストシューズを組み立てて履いて歩いて頂きました。
「あらっ、全然重くないわ。むしろ軽く感じる・・・。こんなに軽快に歩けるとは思わなかったわ。体がシャンとするわね・・・。」とご婦人。
「安定性って重要でしょ・・・。足元が安定すると体全体が安定して、余計なバランスを取るための緊張から解放されるので、疲労軽減にもなりますよ。」と私。
30分後、出来上がったばかりの健康靴に履き替えて、ご婦人はお帰りになりました。
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