インソールだけじゃなく、靴も大切です

他の専門店でインソールを作られたというご婦人から、ご質問を受けました。
外反母趾で悩んでいた数年前に作ったというインソールをもう一度作り直すべきかどうか悩んでいらっしゃるとの事。
その理由は、最近になって再び外反母趾の痛みが強くなってきたからだそうです。

履いていたのは某有名メーカーの衝撃吸収と高反発を両立させた機能を売りにしたウォーキングシューズです。作られたというインソールを拝見すると、衝撃吸収効果を謳った特殊な柔らかな素材をベースに製作されたものでした。

歩く姿を観察すると、両足首共に体の中心に向って倒れ込む過回内（オーバープロネーション）が強い状態でした。

「柔らかなインソールに柔らかな既製靴を組み合わせたため、足首の歪みがサポートされずに体重の負荷で体の中心に倒れ込んでいます。ですから、足の内側を構成する土踏まずや親指の付け根に大きな負担が掛かったままなのですよ。クッション効果で一時的に抑えられていた炎症が、体重の負担に耐えきれなくなって、再び痛みとして現れてきたんだと思いますよ。」と私。

「では、お宅では、どのような事をされるんですか？」とご婦人。
「まず、足の筋力の低下の度合やそれに伴う足骨格の歪み、関節の可動域などを足のカウンセリングによって調べます。

その結果に基づき、足の負担軽減とバランスの良い負荷が掛かるように健康靴のフットベッドインソールにサポートを補正加工します。そして、ゆったりとしたつま先と堅牢なカカト周りで足首を保護し、安定性のある靴底で設計された健康靴とのコラボレーションで、軽快に歩ける足に適合した靴をご提供いたします。」と私。

「お医者さんには、痛かったら無理して歩きなさんなと言われたんですが、ジッとしている事なんかできないし、買い物にも行けないし、どうしても歩かざるを得ないじゃないですか。湿布を張っても全然良くならないし・・・。」とご婦人。

お話だけでは実際には何も分からないと思い、健康靴に簡単なパーツを組み込んだテストシューズを履いて歩いていただくことにしました。
「先ほど歩いて頂いた状態を観察した結果だけで恐縮ですが、簡単に仮のサポートをした健康靴で実際に歩いて、親指の負担軽減効果を試してみませんか？」と私。

恐る恐るテストシューズを履いて歩き始めるご婦人。
「ああ、全然痛くない・・・。すごく楽に歩ける。」とご婦人。
頭の中であれこれ悩んでいるよりも、実際に効果を体験されれば、何十分説明するより理解が早いものです。

その場で「足のカウンセリング」のご予約を入れて頂き、ご婦人はお帰りになりました。

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