運動療法と健康靴　その2

先日、ご来店頂いたご婦人を例にとって話を進めましょう。

このご婦人は、足首が体の外側に傾く回外位と内反足のO脚でした。

骨盤の歪みもありました。
歩容を見ると、右側に体が傾く傾向があります。
また、足の横アーチの低下による指先の違和感や痺れ、足裏の皮膚の角質化などがみられました。

膝関節に掛かる体重の負担を減らす（減量）ことを目的として、また手軽にできる基本運動として「ウォーキング」を始めたのですが、減量効果の高い履き物として、足元を不安定にして、より沢山の筋力に訴えかけるダイエット効果のあるウォーキングシューズを勧められ、選択したのだそうです。

しかし、すでに足骨格の歪みやアーチ構造が低下し、筋力が弱くなっている状態のご婦人が、さらに足元を不安定にするような履き物を使って、急に長距離を歩いたことで、返って歪んだ足骨格や関節に大きな負担を掛ける結果になってしまったのです。

膝や足首や足裏の痛みがさらに強くなり、歩くのが怖くなってしまったそうです。

膝の負担を減らす目的で取り組んだ運動が、まったく逆の結果をもたらしてしまったのです。

このような経験をすると、運動するのが怖くなり、さらなる運動不足への悪循環に陥ってしまう訳です。

続く

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