コラム
アキレス腱周囲炎と思われる御婦人に健康靴をお作りしました
2012年6月22日 公開 / 2014年7月17日更新
「踵のふちからアキレス腱にかけてが痛くなったので整形外科に行ったら、湿布をしてくれて、土踏まずにクッションを入れて靴を履きなさいと言われたんです。」と御婦人。
「ああ、それでご自分で靴の中敷の下に手作りのパッドを入れていたんですね・・・。」と私。
この御婦人が履いて来た既成のウォーキングシューズの中敷の下には、お手製の土踏まず用のパッドが2、3枚重ねて入れてありました。
「こんなに大きなパッドを入れたのでは、返って足の真ん中の部分が全体的に持ち上げられて、竹踏みをしているような状態で歩き続ける事になってしまいますよ。」と私。
「そうなんですよ。なんだか効果が無いのが分かってきたんで、ちゃんと専門家に診てもらおうと思って来たんです。」と御婦人。
「足のカウンセリング」の結果、この御婦人は足首が体の内側に倒れ込む踵骨外反(しょうこつがいはん)により、特に右足が強い偏平足になっていました。
足首が内側に倒れ込む事により、足の内側、すなわち土踏まずに負担が掛かり、脹脛からアキレス腱を通って繋がっている足底筋や腱膜を伸ばす結果になったのでしょう。
伸ばされた筋が炎症を起こして、踵周りやアキレス腱の痛みになったのだと推察されます。
不安定になった足首をしっかりと支え直すためには、靴底の堅牢な健康靴に足首が内側に倒れこまないようなサポートを加工しなければなりません。
早速、テストシューズを仕立てて履いて歩いて頂きました。
「ああ、なんだか土踏まずが押されているような不思議な感じがします・・・。」と御婦人。
暫く店内を歩いて頂いてから、ご自分が履いて来た靴に履き替えて貰い、健康靴との履き心地の比較をして頂きました。
「わあ、自分の靴だとフラフラする・・・。」と御婦人。
「柔らかい靴だと足元が不安定で、返って歩き辛いでしょ?」と私。
「でも、足が痛いと柔らかい靴を選ぼうとするじゃないですか。」と御婦人。
「ところが、足が痛くなるのは、骨格の歪みで足元が不安定になる事が原因なのですから、柔らかい靴底では、返って安定を失う事になるんですよ・・・。」と私。
こうしてこの御婦人には、健康靴をお作りする事になりました。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/
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