リウマチ足の御婦人に新しい健康靴をお作りしました

小黒健二

小黒健二

テーマ:足と靴

30年来のリウマチ患者さんの「足のカウンセリング」を承りました。
この方、某有名百貨店の靴売り場にて購入したという以前は当相談室でも取り扱っていた健康靴にサポートを加工した靴を2足お持ちでした。
「もう10年程前に購入したのですが、足の裏が痛くなるので履けなくなってきたんです。それで、お宅で何とか作り直していただけないかと思って・・・。」と御婦人。
「そうでしたか・・・。いずれにしても足を調べてからになりますので、足のカウンセリングを始めてもよろしいでしょうか?」と私。

足を調べるにつれ、この方はかなり重度の関節の固縮(関節が固まってしまう状態)がありました。
さらに、左右の膝関節を人工関節に置換する手術も受けていらっしゃいました。
特に右足は足首の関節の可動域がなくなり、リフスランとショパールの関節と呼ばれる足の甲の関節も固縮しています。
また、左足の第五中足骨基部という部分の骨格が潰れて、皮膚に大きなタコが出来ていました。
右足の外反母趾が強く、親指の関節が固縮して曲がったまま、第2指の下に潜り込んでいました。

この状態で歩いたのでは、足の指の付け根の骨に負担が掛かって痛くなるのは当然です。
しかも、お持ち頂いた靴は2足とも靴底が柔らかいため、手直しの負担分を考えると、費用対効果の効率がかなり下がってしまいます・・・。

「大変申し訳ありませんが、今の足の状態でお持ち頂いた靴を手直ししても、ほとんど作り変えるようになってしまいますし、効率の悪い、しかも効果が充分に発揮できない作業になるかもしれません。」と私。
「ええっ? じゃあ、この靴はもう履けないという事ですか?」と御婦人。
「費用を掛けて手直ししても、効果が期待出来ないということです。」と私。
「それじゃ、諦めろという事ですか?」と御婦人。
「費用対効果で考えたら、現在の足の状態をサポートする機能を持った新しい靴にした方が、手直しするのと同じ位の費用で済んでしまうでしょうね・・・。」と私。
「そういう事ですか・・・。」と御婦人。

早速、テストシューズを組み立てて履いて歩いてもらう事にしました。
「論より証拠じゃないですが、実際に歩いて新しい靴の効果を感じてみて下さい。」と私。
ゆっくりと歩き出す御婦人。
「あら?、何だか普通に歩けるわ。足が全然痛くない・・・。」と御婦人。
「いかがですか? この健康靴なら、3、40分でお作りしますので、そのまま履いて帰っていただけますよ。」と私。
「ええっ?、もう今日出来ちゃうんですか?」と御婦人。
「はい、今短時間で仕立てたテストシューズで歩いて頂いても、効果は実感できましたでしょ?」と私。
「ああ、そうですね・・・。これはまだ作る前の靴でしたねえ・・・。」と御婦人。

こうしてこの御婦人には新しい健康靴をお作りする事になりました。
40分後、出来上がったばかりの健康靴に履き替えて、御婦人はお帰りになりました。

「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/

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小黒健二
専門家

小黒健二(シューフィッター)

有限会社ロビンフット

足のトラブルの原因は様々ですが、病気や事故が原因でなければ、多くの場合が生活習慣による足の筋力の低下によるものです。「足のカウンセリング」は、生活習慣の見直しと運動による自己管理もアドバイスします。

小黒健二プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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