コラム
理不尽なインソール
2012年5月8日 公開 / 2014年7月17日更新
当相談室で健康靴やオーダーインソールをお作り頂いた御婦人が、妹様を伴ってご来店されました。
「妹が他所で作ったインソールを靴に入れて履いているんですけど、足が痛くなるって言うんで、こちらで診てもらおうと思って連れて来ました。」とお姉様。
他店で購入されたり作られたという靴やインソールを持ち込まれて、手直しの依頼をされる事がありますが、お引き受け出来ないケースもあります。
しかし、今回はあまりにも理不尽なケースというか、不幸なケースでした。
一般的な常識からみても非常に高価なインソールなのですが、足型を採取して作って貰ったというには、どう考えても納得出来ない作りでした。
会場に人を集めて、専門家と称する業者がフットプリントや足型を採ってインソールを受注して帰るそうで、現物のインソールはその後、代金と引き換えに受け取るのだそうです。
妹様は市販の2.900円で売られているカッターシューズに入れて使っていたそうで、インソールにも問題がありますが、使用する靴にも問題がありました。
高価な金額を支払って、返って足を痛めたのでは、まさに泣きっ面に蜂です。
インソールが入っていた外箱にも、インソールの使用説明書にも連絡先の電話番号が一切記入されていません。
関西地方のある県の住所だけが印刷されているのでした。
従って、後日業者に連絡を取ろうにも、簡単には連絡出来ないという訳なのです。
いかにもな感じがしますよね・・・。
自己責任の問題としてしまうには、ちょっと納得のいかない事例です。
当相談室でお作りした健康靴やインソールは、お使いになっていて不具合が生じれば、当然原因をお調べして再調整します。
何事にも完璧で完全などという事はあり得ません。
ましてや体調や年齢や生活習慣によって変化するのが当たり前の人間の体の事です。
アフターケアも重要なサービスの一部です。
うな垂れる妹様の悔しそうな表情を見ると、やるせない気持ちになりますが、どうする事も出来ません。
お姉様は当相談室で妹様用の健康靴を作って欲しいと言うのですが、何だか申し訳ないような複雑な気分です。
でも、とにかく、お二人で昼食を食べに行っている間に妹様用の健康靴を仕上げました。
早速履いて歩いて貰いました。
「うわー、これは楽に歩けるわ・・・。」と妹様。
少し明るい表情になりました。
それにしても、理不尽なインソールを作る業者がいるものですねえ・・・。
やはり、無店舗業者が出張販売形式で会場に人を集めてインソールを受注するといような場合には、アフターケアの事を十分に考慮すべきで、細心の注意が必要だと思われます。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/
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