10年目のご納得

小黒健二

小黒健二

テーマ:足と靴

「ちょっと靴を見せて下さいな・・・。」と言ってご来店された女性。
「実は以前にお宅で靴を作った事があるのよ・・・」と言われました。
「えっ? そうなんですか? では、お名前を教えて下さい。」と私。
「もう、だいぶ前だから、記録なんて残ってないでしょ?」と御婦人。
「いいえ、足のカウンセリングをして靴をお作りしたのでしたら、資料は全て保管してあります。」と私。
早速、コンピューターの記録と照合して、保管してある紙台帳の「足のデータ」を探し出してきました。

「ああ、2002年の11月にお作りしてますね。」と私。
「あら、ちゃんと記録が残っているのね・・・。」と御婦人。
「ところで、今日はどんなご用件なんでしょうか?」と尋ねる私。

「実はサンダルを見に来たのよ。」と御婦人。
「もうすぐ夏ですからねえ・・・。」と応ずる私。
「夏もそうなんだけど、右足のつま先がすぐに痛くなるから、つま先が空いているサンダルの方が楽なのかなあと思って・・・。」と御婦人。
実はこの御婦人は変形性股関節症で特に左足の股関節に問題があります。
ところが今日お履きの靴は、当相談室でお作りした健康靴ではなく、市販のつま先のスリムなウォーキングシューズでした。
「お作りした靴はどうなっているんですか?」と私。
「もちろん今も履いているわよ・・・。でも、最近はあまり歩いていないから、たまにしか履かないわね・・・。」と御婦人。
「そんなに足の調子が良くないのですか?」とお尋ねすると、
「前よりも外反母趾が酷くなってきたのと、偏平足が進んでいるみたいなの・・・。お医者さんにもそう言われて病院でもインソールを作ったのよ・・・。でも何だかイマイチ足に合わなくて使ってないんだけど・・・。」と御婦人。
「だったら、また改めて足のカウンセリングをしてみましょうか?」と私。

「足のカウンセリング」の結果、確かに以前も偏平足だった右足はさらに偏平足に・・・。
そして外反母趾も強くなっています。
また、以前は偏平足ではなかった左足も偏平足になってきています。
また、両足共に足首が内側に倒れ込んでいます。特に右足首の傾きが以前にも増して強まっていました。

「お医者さんからは、股関節の手術を勧められているのだけど、私が拒否しているのよ・・・。まだ自分の力でどうにかなっているからって・・・。」と御婦人。
「そうですか・・・。では、ちょっと試しに新しい靴を履いてみませんか?」と提案する私。
靴底の堅牢なロッカーソールの健康靴のフットベッドを簡単に手直ししたテストシューズを履いて歩いて頂きました。

「あら、これは楽に歩けるし、つま先が全然痛くないわ・・・。これなら旅行にもちょっとした軽ハイキングにも良さそうね・・・。」と御婦人。
「以前の健康靴よりも格段と進化しているでしょう?・・・。」と私。
「これは楽だわ。これならどんどん歩きたくなるわね・・・。やっぱりサンダルは止めて、こっちのウォーキングタイプの靴にするわ。」と御婦人。
「良かった。ご納得していただけましたか・・・。」と私。
こうして、サンダルを見に来た御婦人には、ロッカーソールの健康靴をお作りすることになりました。

 第7回「足と靴の無料相談会」のご案内
 http://mbp-japan.com/kanagawa/robinfoot/seminar/370/
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/

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小黒健二
専門家

小黒健二(シューフィッター)

有限会社ロビンフット

足のトラブルの原因は様々ですが、病気や事故が原因でなければ、多くの場合が生活習慣による足の筋力の低下によるものです。「足のカウンセリング」は、生活習慣の見直しと運動による自己管理もアドバイスします。

小黒健二プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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