安全靴で外反母趾や内反小指になる?
突然、40歳代半ば位の御婦人がご来店されました。
「この靴、革が伸びてどんどんブカブカになってくるんですけど、どうにかなりませんか?」と御婦人。
足元を見ると、ウェッジソールのVベルトパンプスを履いていらっしゃいます。
柔らかい革で出来ているその靴は、つま先の革が足指をそのまま反映して凸凹と形が浮き出ていました。
「これは随分と型崩れしていますね。そもそも革が柔らか過ぎるので、体重の負荷で伸び易くなっているのでしょう・・・。」と私。
「どんどん足が前にズレていってしまうので、すぐにカカトがブカブカになっちゃうんですよ。」と御婦人。
「この靴はヒール高もありますし、足が滑り台のように靴先に滑ってしまうので、ベルトをしっかり締めて足を止めないと・・・」と私。
御婦人の後ろに回って靴のカカトを見ると、足のカカトが半分以上持ち上がった状態です。
靴のカウンター部分の深さに比べて足のカカトが半分ほど靴に収まっていないのです。
「足のカカトが靴のカウンターから随分とはみ出して、靴のカカトが浅くなっているようですけど・・・」と私。
靴を脱いでもらうと、靴のカカト部分の中敷の厚さが尋常ではありません。
なんと、カカト部分が高くなった市販のインソールを2枚重ねて履いているではありませんか・・・。
「ありゃー、これはまた無茶な事をしていますねえ・・・。これではますます足が靴のつま先に逃げていってしまいますよ・・・。」と私。
「でも、こうでもしなきゃ靴がブカブカして履き難いんです・・・。」と御婦人。
確かに靴の革が伸びきって、中敷を一枚にすると靴がブカブカして足が泳いでしまいます。
靴のVベルトもマジックテープの位置で留めると、甲が締まらないので用を足しません。
「うーん、これはお手上げですね。中敷を2枚重ねで使って、ますます革を伸ばしてしまったので、もう元にはもどりませんものねえ・・・。」と私。
「ええっ?、じゃあこのまま履くしかないの?。」と御婦人。
「どうしてもその靴が履きたいのなら、下手に手を掛けずにそのまま履くしかないようですね。」と私。
「そう・・・。」ちょっと不満気味に顔を曇らせて、御婦人はお帰りになりました。
しかし、ずいぶんと乱暴なサイズ調整をするもんですねえ・・・。
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