足と靴の川柳
「この靴、とっても履き難いの・・・。足に合ってるか見てくれる?」と言って入ってこられた御婦人。
足元を見るとそれなりのウォーキングシューズを履いています。
「どこが履き難いと感じるんですか?」とお尋ねすると、
「履いているとつま先が痛くなるし、中敷が私の足に合ってないみたいなの・・・」と御婦人。
あまり気乗りがしなかったのですが、靴を調べてみました。
ドイツの有名メーカーのコンフォートシューズでした。
サイズは36(日本の23.2cm位)なので、この御婦人の足の実測値が22,7cmですから適正サイズです。
つま先もナチュラルフォームでしたので、問題がないようでした。
インソールを調べると、加工はしていませんでしたので、既成品のままで履いているようです。
インソールに付いた足跡を見ると、つま先いっぱいまで足先がずれ込んで履いているようでした。
「しっかり靴紐を締めて履けば大丈夫ではありませんか?」と私。
カカトに合わせて靴を履いてもらい、つま先から靴紐を締めて履いて歩いて貰いました。
「あら、何だか履き心地が変ったわねえ・・・。」と御婦人。
「適正サイズの靴ですから、履き方さえきちんとすれば、そんなに履き難い靴ではないはずですよ。」と私。
「履き方のせいなの・・・?」と御婦人。
「たぶん、履き方のせいでしょう・・・。紐を結んだままで脱ぎ履きを繰り返したせいで、靴の中で足が前足部にずれ込んでしまっていたのですよ。だからつま先が痛くなるし、インソールの形状と足の位置がずれて足に違和感を感じるようになったんでしょうね・・・。」と解説する私。
「そう言えば、買った靴屋さんでも紐を結んで下さいと言ってたわ・・・」と御婦人。
「そういうことですね・・・。」と私。
「いやーね、履き方のせいだったのね。どうもありがとう・・・。」と言い残して、御婦人はお帰りになりました。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/