足の痛みと履きたいデザインの狭間に揺れる女性の気持ち・・・
外反母趾、偏平足、開張足、巻き爪、タコ、ウオノメ、膝痛、腰痛等、代表的な足にまつわるトラブルの原因の多くが、生活習慣に起因しているようです。
メタボリックシンドロームと同じように、生活習慣が原因で様々な足の症状に発展することがあるのです。
「食生活」を考えてみても、自分の好きな食べ物ばかりを摂取していれば栄養のバランスを欠いてしまいます。
そこに運動不足等が重なると、様々な生活習慣病のリスクを高める結果になります。
足のトラブルの多くが、歩き方、靴の履き方、足の機能を妨げる靴の選択(デザインの好みだけで靴を選ぶ)、運動不足等によって起きているのです。
正しい歩き方や正しい靴の履き方、足の機能を考慮した靴の選び方を啓蒙することで、多くの足のトラブルは予防できるはずなのです。
しかし、現実には「足の保健」のための教育や生活習慣の見直しは、ほとんど手付かずのままで放置されているように感じます。
寝たきりの高齢者が増える原因の一つに、「足の保健」に対する無関心があるように思います。
足の機能を考えるには、まず足の指が何のために存在しているのかを理解する必要があると思います。
足の指は大地を掴み、足首を安定させて体を支えるという大事な役目を担っているのです。
東京タワーに例えれば、末広がりに広がった4本の基礎の鉄柱部分にあたります。
そして、東京タワーの基礎部分の4つのアーチ構造は、4本の鉄柱に掛かる荷重を分散して、バランスよく強固にタワーを支えているのです。
足もまたアーチ構造を3つ備えています。(足の3つのアーチ)
アーチ構造が足に掛かる荷重を効率よく分散し、また同時にアーチが伸び縮みすることで大地から受ける衝撃を吸収するという役目を担っているのです。
さらに、手の爪が手の力を物に伝えるのと同じように、足の爪は大地を掴む力を足の指に伝える重要なパーツであり、爪無くして足指の力は充分には発揮されません。
こうして足を見直してみると、足指や足のアーチ構造や足の爪が人の体を支えるための重要な役目を担っていることが分かります。
足の筋力は足指が大地を掴むために、また、足の3つのアーチ構造を支え、足首や脚や膝や腰、そして体を安定して支えるための重要なパワー源なのです。
ところが、靴で足指の機能を閉じ込め、足の筋力の低下やそれに伴う足のアーチ構造を失うような生活習慣が続けば、立つ力や歩行能力が低下します。
立ったり、歩いたりすることが苦手になり、ますます足の筋力を低下させてしまうという悪循環に陥るのです。
「足の保健」が大切だからこそ、正しい歩き方や正しい靴の履き方、足の機能を考慮した靴の選び方が重要なのであり、歩くことが望ましいのです。
足のトラブルを招くような生活習慣を見直すことが、「足の保健」にとっての重要な一歩なのです。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/