中足骨骨頭痛(ちゅうそつこつこっとうつう)
突然ご来店頂いた60代位の男性。
「足の裏とカカトが痛いから病院で診てもらったら、筋が炎症を起こしてるから湿布をしなさいって言われてお終いだった・・・。」とのこと。
足元を見ると、ステップインタイプの底の柔らかそうな靴を履いていらっしゃいます。
「お宅でインソールを扱っていると聞いたから買いにきたんだけど・・・」と男性。
「はい、足のカウンセリングをして足の痛みの原因を調べて、適切に対処するための靴やインソールをご提供いたします。」と私。
「インソールはどこにあるの?」と男性。
「まず足を調べて、その結果に基づき、痛みの原因をサポートするインソールや靴を調整加工することになるのですが・・・。」と私。
「売ってないの?」と男性。
「ああ、既製品のインソールということでしたら扱っていませんが・・・」と私。
「なんか土踏まずのところにスポンジを入れてみなさいとか、土踏まずのあるインソールを買って靴に入れなさいとかって言われたんだけど・・・。」と男性。
「なるほど・・・。では、既製品のインソールをお探しだったんですね・・・。」と私。
「お宅は足専門のお店だと思ったから来たんだけど・・・」と男性。
「そうなんです。ですから既成品は取り扱っていないんですよ・・・。」と私。
「?????」はてな顔の男性。
「でも、もしも今お履きの靴にインソールを入れて使うのでしたら、効果がないと思いますよ。」と私。
「そんなことはどうでもいいんだよ。足さえ痛くなくなればいいんだから・・・。」と、ちょっとムッとした感じで言われる男性。
これはあまりアドバイスを受け入れて貰えないなと判断した私は、
「ご希望に添えなくて申し訳ありませんでした。」と、お帰り頂くためのご挨拶をしたつもりでしたが・・・・・。
「お宅は足に良い靴は売ってるんでしょ。」と男性。
「オリジナルの健康靴を中心に、調整加工してご提供させて頂いてますが・・・。」と私。
「じゃあ、なんか適当に良い靴を見繕ってよ。」と男性。
困った展開になってしまいました。完全に靴屋さんとお客の関係になっています。
「すみません。足が痛い原因を調べないと適切な靴の選択や対処が出来ないんですよ。」と私。
「いちいちめんどくさい靴屋だな。靴も売ってもらえないのか!」と怒り出す男性。
やっぱりこういう展開になるのか・・・。と悲しくなりましたが、
「分かりました。では、靴を脱いでこのマットの上に立って下さい。」と促す私。
こうなったら簡単に足を診て、痛いところにクッション材を埋め込んで対処してしまおうと判断しました。
マットの上に出された男性の足は見事なスクウェア型(足の指の長さに違いが少ない四角い足)でした。
そこで、健康靴の基本的なタイプの紐靴を選択して、予め痛いというカカト部分にクッション材を敷いて履いていただきました。
「いかがでしょうか?」と私。
「確かに痛みは無いね。でも、こんな靴しか無いの?」と男性。
「そうですね・・・。健康靴の基本的なデザインは足の形状に沿っていますので、これがスタンダードな形なんですけど・・・。」と私。
「だいたい紐がある靴は嫌いなんだよ。履いてきた靴のようにサッと履ける靴が欲しいんだけど・・・。」と男性。
「ごめんなさい。そういう靴は取り扱っていないんですよ。」と私。
「結局最後は取り扱ってないって言い訳になるんだね・・・。もういいわっ!」と男性。
肩を怒らせて帰ってしまいました。
「フウ~ッ・・・。」と大きなため息を付く私・・・・。
予想はしていたものの、やっぱり後味の悪い展開になってしまいました。
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