安全靴で外反母趾や内反小指になる?
足のトラブルの原因がよく分からないままに悩み続けている方が大勢いらっしゃいます。
中高生の足のトラブルでは「成長痛」と言われる場合が多いようですが、なかなか痛みが解消しない本人やご家族の方にとっては釈然としない思いが残ります。
また、中高年以上の方の足のトラブルでは「老化や歳のせい」と言われる場合が多いようですが、これもご本人にとっては釈然としない事が多いようです。
先日もそんな内容のトラブルのご相談がありました。
「足が痛いと言うので病院で診て貰ったら、成長痛だろうとのことで湿布をもらったんですが、痛みがとれなくて困っています・・・。」とお母様。
痛みを訴えているのは女子高校生です。
「足のカウンセリング」の結果、「開張足」であることが分かりました。
「開張足」とは、足の指の付け根にあたる「中足骨骨頭」が構成する「横のアーチ」という弓形のドームが足の指先の筋力の低下等によって偏平になってしまった状態の事です。
偏平になった「中足骨骨頭」のうち、主に第2指と第3指の中足骨骨頭に強い負荷が掛かり、靴底や床に押し付けられることが痛みの原因になっているのです。
このような場合には、偏平になった「横のアーチ」をサポートするために骨格を支え直す必要があります。
また、偏平になったそもそもの原因である筋力の低下した足指を鍛え直さなければなりません。
このお嬢さんの場合はそれほど外反母趾が顕著ではありませんでしたが、「開張足」は外反母趾の原因でもあります。
さらに、足首の歪みがあり、足が体の内側に倒れ込む「外反足」でした。
そこで健康靴のインソールに「横のアーチ」を支えるサポートを強化するパーツと「外反足」をサポートするパーツを組み込んだテストシューズを仕立てました。
早速、試しに履いて歩いて頂きました。
「どう? まだ痛い?」とお母様。
「ううん、痛くない・・・。」とお嬢様。
「健康靴で足の骨格をサポートすれば痛みは軽減しますけど、足の骨格が崩れる原因である筋力の低下は、足指の体操や正しい靴の履き方や正しい歩き方を実践することでしか取り戻せません。」と私。
「こんな事にならないと、足の健康の事なんて考えないですからね・・・。」とお母様。
「普段から足の健康に対する啓蒙が行なわれていれば、正しい対処が出来るはずなんですけどねえ・・・。」と私。
このお嬢様には健康靴を調整加工してご提供することができましたが、世の中には、足が痛い原因がよく分からずに悩み続けている方が、まだまだ大勢いらっしゃいます。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/