足と靴の川柳
糖尿病による合併症で足の裏や靴の圧迫から足の甲に痛みが出るという60代半ばの男性。
神経障害や血行障害による痛みや痺れから重大な障害に発展する可能性がある糖尿病。
早速「足のカウンセリング」を始めました。
この方は裸足の足長が右足で27.5cm、左足で27.1cmでした。
ところが、現在履いている市販のビジネスシューズは27.0cmでした。
しかも紐無しのスリップオンタイプ。つま先の形状もシャープなデザインです。
右足の親指の爪が靴先に圧迫されて足指よりも外反しています。
深爪でもしようものなら確実に陥入爪になるでしょう。
そこから雑菌が入って膿んでしまうような事があれば、指先の壊疽に発展するリスクがあります。
そこで、健康靴の27.5cmに簡単な補正パーツを組み合わせたテストシューズを履いて歩いて頂きました。
「うわー、ちょっと痛い感じがするなあ・・・。なんだか足の裏から押されているようで違和感があるね・・・。」と男性。
「確かに今まで履きなれた柔らかな靴底のビジネスシューズと比べれば、ふわふわの絨毯から板の間に変わったような感覚だと思います。」と私。
「こんなんで大丈夫かなあ・・・?」と男性。
「テストシューズと違って本制作する場合はクッション材も使いますので大丈夫だと思います。それに、もうちょっと履いて歩いているうちに少しずつ違和感も薄れてくると思いますよ・・・。」と私。
暫くテストシューズで歩いて頂きました。
「どうですか? 少し違和感が薄れてきましたか?」と私。
「そう言えば確かに慣れてきたみたいだね・・・。まあ、まだ違和感があることはあるけど、初めて履いた時ほどではなくなったかな・・・。」と男性。
糖尿病を自己管理するには運動が欠かせません。
無理なく運動するには、ウォーキングが一番です。
しかし、足が痛くてはウォーキングすることが出来ません。
そこで、痛みや疲労感を軽減するために靴が果たす役割は大変重要なのです。
40分後、クッション材を痛みの強い場所に埋め込んで、この男性のための健康靴が出来上がりました。
「うん、これなら大丈夫みたいだ・・・。」と男性。
早速、履いてお帰りになりました。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/