足の痛みと履きたいデザインの狭間に揺れる女性の気持ち・・・
80代のお母様をお連れになった御婦人。
「今度母とドイツに住んでいる私の友人のところに遊びに行く予定なのですが、友人からの連絡でドイツは石畳が多いし、寒いし、旅行をするつもりならお母さんにしっかりした歩きやすいブーツを履かせなさいと言われたんです。」とのこと。
「ああ、それはさすがにドイツ住んでおられる方の確かな助言ですね。素晴らしいですね。」と私。
「ところが、母は今履いている靴で良いと言うんです。でも、友人からは日本人は靴に無頓着で、足に合わない靴を履いているせいで歩きたがらない人が多いようだから気をつけなさいと言われてるんです。」と御婦人。
「そうでしたか・・・。それはまた随分と的確なアドバイスですね。その友人の方はドイツ人ですか?」と尋ねると、
「いいえ、もちろん日本人ですよ。私の友人ですから。」と御婦人。
「はあ、長くドイツに住んでいるうちに足を大事にするドイツ人気質が自然と身に付いてしまったのかなあ・・・。すごいなあ・・・。」と私。
というわけで、早速御婦人のお母様の足のカウンセリングを始めました。
「お母様の足は外反母趾が強くて偏平足ですね。しかも足の爪が肥厚して変形しています。骨盤の歪みもありますが、両足首の歪みが強いです。外反母趾も偏平足も両足首が内側に強く倒れ込むことで進行した可能性がありますね。これは足のためにも普段からアンクルブーツで足首をサポートした方が良いですね。」と私。
「そうですか。じゃあ、ブーツを買いに来て大正解だったですね。」と御婦人。
アンクルブーツタイプの健康靴に調整加工をしている間、お母様とその娘である御婦人は昼食を食べに行かれました。
40分後、戻られたお母様に出来上がったばかりの健康靴を履いて歩いて頂きました。
「あら、随分軽いんですね。さすがに歩きやすい。なんだか背筋が自然に伸びるような気がします。」とお母様。
「良かったわねえ。あら、お母さんスタスタと軽快に歩いてるじゃない・・・。」と御婦人。
「それがね、軽いんだよ。なんだかどんどん歩けるような気がするよ。」とお母様。
「それは良かったです。ドイツに行く前に履いて歩いて、足に慣らしておいて下さい。」と私。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/