巻き爪の原因 -ある男性の場合-

小黒健二

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テーマ:足と靴

両足の親指の巻き爪の件で「足のカウンセリング」をお受けになるご予約をされた50代後半の男性。
足を調べてみると左右の足長が5mmほど違います。
また、かなり骨盤の歪みをお持ちで、右に傾斜していました。
その上に左右の足首の歪みが酷く、特に左足はかなり内側に捩れていて、両足共に偏平足になりかかっています。
巻き爪の状態を見ると、左足の親指の方がより強く巻いています。また両足ともに外反母趾になっていますが、特に左足の親指の外反角が大きくて、親指の脇には強い角質が出来ていました。

「両足の親指の巻き爪の原因は、カカトの骨の歪みによって足首が体の内側に倒れ込んで土踏まずを潰し、親指や親指の付け根に体重の負担が掛かり続けて外反母趾を誘発し、そのことがまた親指の脇の皮膚や爪の脇に蹴りだす時の力を集中させてしまうことにあると思います。」と説明する私。
「じゃあ、どうしたらいいんですか?」と男性。
「靴底のしっかりした靴とインソールで足の歪みをサポートして、親指の脇に負担が掛からないように骨格を支えることが必要でしょうね。」と私。
男性の履いてこられた靴は、アッパーも靴底も柔らかく、おまけに靴紐やマジックベルトの無いステップインタイプの靴でした。
「つま先を圧迫しないようにと柔らかい靴を選択していますが、靴紐やベルトが無い靴は脱いだり履いたりは楽なんですが、足先が靴先に突っ込んで指先を圧迫し易いんです。おまけに靴底が柔らかいせいで足首が安定せず、足首が内側に捩れてしまうと偏平足や外反母趾のリスクが高まり、親指の脇腹に蹴りだす時の負担が掛かる原因にもなるんです。ですから、靴やインソールで足首やアーチを支えて根本的な原因の解消をするしかないんです。」と私。
「つまり、どうしたらいいんですか?」と男性。
「健康靴で足首を支え、骨盤の歪みをサポートし、足のアーチを支えて親指に負担が掛かり過ぎないようにして、巻き爪の原因である指先の圧迫を解消するというのがご提案です。」と私。
「結局、靴で対処するということですね・・・。」と男性。
「そうですね・・・。」と私。
「じゃあ、考えてまた来ますわ・・・。」と男性。

巻き爪になる原因を理解して頂けたかなあ・・・?

「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/

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小黒健二
専門家

小黒健二(シューフィッター)

有限会社ロビンフット

足のトラブルの原因は様々ですが、病気や事故が原因でなければ、多くの場合が生活習慣による足の筋力の低下によるものです。「足のカウンセリング」は、生活習慣の見直しと運動による自己管理もアドバイスします。

小黒健二プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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