安全靴で外反母趾や内反小指になる?
巻き爪で悩む80代の御婦人。
原因を探っていくと前のめりで歩く癖にも一因がありそうです。
また、靴底が柔らかくて伸び縮みする素材で作られた高齢者用と謳われている靴を履いておられるのですが、この靴にも問題があります。
一般的に前かがみで歩くと足先に体重が掛かりすぎてしまいますので、蹴りだしが強くなる傾向がみられます。
特に70代~80代の女性は足音を立てて歩くのは、はしたない事と言われ、つま先を先に下ろす歩き方を教えられていたようで、そんなことも影響しているのかもしれません。
前かがみで、つま先から下ろすような歩き方で柔らかい靴を履いて歩いていると、足指で強く地面を蹴りださないと足が前に送り出せません。
足の親指には大きな負荷が掛かり続け、指先(皮膚)が爪に食い込みやすくなってしまいます。
爪は指先に力を掛けるために存在しますので、爪が巻いていると歩行動作によっては爪の端が皮膚に食い込みやすくなります。
ましてや猫背が強く、前のめりで歩けば、足先への負担は強くなるばかりです。そこに靴底の柔らかい履物を組み合わせれば、負担はさらに増してしまうのです。
この御婦人には歩き方の改善を指導しましたが、高齢であることも考慮すると、なかなか効果が出ないと思われます。
そこで、靴底が堅牢なローリング効果の強い靴を履いていただくことにしました。
「わあ、軽く歩けるわ!。」と御婦人の第一声。
「靴が勝手に足を押し出してくれる感じでしょ?」と私。
「不思議ねえ・・・。何か魔法に掛けられたみたい・・・。」と御婦人。
「どうですか? いくらか巻き爪の痛みが軽減されましたか?」と尋ねる私。
「不思議ねえ・・・。痛くないわ・・・。」と御婦人。
早速、健康靴に履き替えてお帰りになりました。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/