変形性股関節症の御婦人が履いていた靴

変形性股関節症のために歩行に支障を感じているという御婦人。
足元を見るとソフトな履き心地で一世を風靡したカジュアルシューズを履いておられます。
「今、履いておられる靴は股関節に負担が掛かるので、あまり良くないと思いますよ。」とアドバイスすると、
「でも、この靴にしてから少しはましに歩けるようになったのよ。」と仰られます。

足のカウンセリングの結果、足首が両足とも内側に捩れる状態で、骨盤の歪みも生じていました。
「靴底が柔らかい靴は、足に掛かる衝撃を和らげる代わりに安定感を損ねてしまいます。体を安定させて関節に負担が掛からないようにするためには、しっかりした靴底の靴を選んで、インソールである程度の衝撃吸収を担うべきです。」と私。
「ふーん。でも普通は柔らかい靴を選べば良いと思うじゃない・・・。」と御婦人。
「そうですね。でも、それが返って足の負担を強める結果になる場合が多いんですよ・・・。」と私。
そこで御婦人が履いていた靴を片手で折り曲げて見せました。
「ほら、このように靴全体が簡単にぐねってしまうでしょ。まるでソファーの上で歩いているような不安定な状態になり、返って関節に負担が掛かるんです。」と説明する私。

足のカウンセリングを終えて、早速補正加工した健康靴を履いて歩いていただきました。
「ああ、なるほどね・・・。安定感があるわね。足に無理な感じが無いわね・・・。」と御婦人。
「どうです？思ったより軽くスムースに歩けるでしょ？」と私。
「そうね。これなら長く歩いても疲れないかもね・・・。もうその靴は履かないから捨てて下さい。」と御婦人。
出来上がった健康靴を履き、履いてきた靴を処分して帰っていかれました。

「足と靴の相談室」ロビンフット長津田　http://www.robinfoot.co.jp/