どうも足の調子がおかしい・・・

小黒健二

小黒健二

テーマ:足と靴

「足の調子が良くないので診てほしい・・・」と言われてご来店された男性。
見覚えのある方です。足元を見ると、当店のオリジナル健康靴を履いていらっしゃいます。
「どうなさいました?」とお尋ねすると、
「どうもこうも、歩きづらくてしょうがない・・・」とのこと。
「そうですか?とにかく足を診てみましょう。どうぞ椅子に座って下さい。」と私。
足元の靴をよく見たとたん、ガーンと衝撃が走りました。
なんと、靴のサイドジッパーを開けっ放しで履いていらっしゃるのです。これでは靴の格好をしたスリッパです。
「これは歩きづらいでしょう・・・。ジッパーを開けっ放しにしていますもの。これでは靴が重く感じるし、ひきづって歩いてしまいますよ。」と私。
「そんなことを言われてもジッパーがなかなか上がらないんだからしょうがないだろ・・・。」と男性。

「困ったな・・・。ジッパーは少し靴の開いた履き口を押さえながら閉めると、スムーズに引き上がるんですが・・・。」と私。
とりあえず、男性の靴のジッパーを引き上げようとしました。
ところが、足が浮腫んでいるのか、ジッパーを引き上げることが出来ません。開いた履き口を押さえることが出来ません。
「あら、これはだいぶ足が浮腫んでいますね。靴紐を調整し直さないと、ジッパーを引き上げることが出来ませんね。」と私。
「そうだろ、無理だろ・・・。」と男性。
「すみませんが、ちょっと靴を脱いでいただけませんか?」と私。
靴を脱いでもらって、靴紐を緩めようとしたのですが、ふと男性の靴下に目をやると、靴下の重ね履きをしているようです。
「あのう、靴下の重ね履きをしていらっしゃるようですが、足が冷えるんですか?」とお尋ねすると、
「そうじゃないんだ。足首を包むサポーターをして、靴下を履いているんだよ。」と男性。

この方は80歳代ですが、O脚が強く、外股で歩く癖があります。骨盤の歪みも強く、猫背で杖を付いていらっしゃいます。
健康靴には、骨盤の調整とO脚を矯正するためのサポートを加工しています。
以前は普通の靴下で履いていらしたのですが、最近、知人の勧めもあって、足首周りを安定させるサポーターを使い始めたとのこと。
このサポーターはつま先が無い、足首とカカトを包み込むタイプのもので、そのサポーターをしたうえで、靴下を重ね履きしたので、靴が窮屈になってしまったのです。
靴紐を解いて調整し直せば良かったのですが、そのままで履こうとしたので、ジッパーが引き上がらなくなってしまったのです。
サイドジッパーを開けっ放しで靴を履いて歩いているわけですから、それでは足の調子が悪くなるのも当然です。

とにかく、靴紐を調整し直して、サイドジッパーをしっかり引き上げて、靴の履き直しをしていただきました。
「どうですか?」と私。
「ああ、前のように歩きやすくなった。軽くなったわ・・・。」と男性。
「靴紐は足の浮腫みの状態や靴下の厚みなどに応じて調整するための機能ですから、今のように条件が変わったら、ぜひ、靴紐の調整をし直して下さい。」と私。
「そうかあ、靴紐を締め直さないといかんか・・・。」と男性。
「そうですね、ぜひお願いします。」と私。

「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/

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小黒健二
専門家

小黒健二(シューフィッター)

有限会社ロビンフット

足のトラブルの原因は様々ですが、病気や事故が原因でなければ、多くの場合が生活習慣による足の筋力の低下によるものです。「足のカウンセリング」は、生活習慣の見直しと運動による自己管理もアドバイスします。

小黒健二プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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